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薬物送達を可能にする微細藻類イデユコゴメ
~経口で有用タンパク質を腸管に送達~

大松 勉(東京農工大学)
宮城島 進也(国立遺伝学研究所)
廣岡 俊亮(国立遺伝学研究所)
藤原 崇之(国立遺伝学研究所)

発明のポイント

  • ●酸性環境に生息し、強固な細胞壁を持たない単細胞紅藻イデユコゴメ類の1倍体細胞は、弱酸性から強酸性環境では安定であるが、中性からアルカリ性環境では細胞が破裂し、細胞内容物を放出する。
  • ●上記性質に開発したイデユコゴメ綱1倍体の遺伝的改変技術を組み合わせ、胃酸には安定で、中性から弱アルカリ性の腸管に到達すると藻体細胞内に 蓄積された有用タンパク質を放出するシステムを発明した。

想定される用途

  • ●ヒト用・動物用経口バイオ医薬品(経口ワクチン、経口インスリン製剤、等)

発明の概要

  • 左:シアニジウム(2倍体)
  • 右:シアニジウム(1倍体)

細胞壁のない1倍体の作出に成功

  • 左:細胞の輪郭
  • 中:葉緑体の自家蛍光
  • 右:抗HA抗体による免疫蛍光染色

有用タンパク質を葉緑体内に蓄積可能

胃、小腸上部、小腸下部を経時的に採取し、細胞外に放出されたGFP量をELISAにて測定

藻体細胞が有用タンパク質を腸で放出

従来技術との比較・優位性

  • 【優位性】
  • ●経口投与が可能
  • ●遺伝的組換え可能
  • ●常温でも長期間遺伝子が安定
イデユコゴメ
一倍体
動物細胞 大腸菌 タバコ 農作物 植物プランクトン
(ユーグレナ等)
経口投与 × × ×
ヒトへの感染性物質 × ×
生産性 × ×
細胞壁 × × ×

ライセンス可能な特許

  • 1. 発明の名称:新規微細藻類、及びその使用
    国際公開番号:WO2019/107385
    登録番号:特許第6852190号
  • 2. 発明の名称:薬物送達組成物
    国際公開番号:WO2020/203816

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