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スーパー抗体酵素
~必須構造とその用途~

一二三 恵美(大分大学)
宇田 泰三(大分大学)

発明のポイント

抗体軽鎖を単独分子として扱うことで抗原分解活性(酵素活性)を示す『スーパー抗体酵素』の必須構造を特定し、本必須構造を有する『スーパー抗体酵素』を人工的に製造する技術を開発

スーパー抗体酵素とは?

・抗体
抗原に特異的に結合して免疫系により無力化
・抗体酵素
抗原に特異的に結合した後、抗原を分解して無力化
・スーパー抗体酵素
抗体酵素のうち、抗体軽鎖を単独分子として用いたもので、通常の抗体酵素に比べ、抗原分解能力が高い

発明の概要

抗体模式図
  • 軽鎖を単独分子として取り扱うと抗原分解活性を示すものを発見
  • スーパー抗体酵素と命名

分解活性中心

触媒三ッ組残基(Asp1、Ser27、His93)が適切な位置に存在することが分解活性発現に重要

天然の抗体軽鎖の多くはPro95が存在

触媒三ッ組残基の位置関係が不適(活性なし)

人工的にPro95を欠失もしくは他のアミノ酸へ置換することで、高活性なスーパー抗体酵素が製造可能

発明の効果

Aβペプチド分解活性

PD-1ペプチド分解活性

その他

  • ・ケモカインレセプターCCR5(HIVレセプター)に対する抗体酵素への応用(抗HIV薬への応用)
  • ・ヒトTNF-αに対する抗体酵素への応用(リウマチ等サイトカイン産生異常疾患への応用)
  • ・がん細胞(肺がん細胞)に対する抗体酵素への応用(抗がん剤への応用)
  • など、幅広い分野(用途)への応用が可能

想定される用途

  • ◎ HIV薬、抗がん剤などの医薬品への応用
  • ◎ 新しいインフルエンザ予防法への応用
  • ◎ COVID-19など、新規感染症対策への応用
  • ◎ バイオセンサーによるウィルス迅速検出法への応用

ライセンス可能な特許

  • 1. 発明の名称:新規抗体酵素生産方法および新規抗体酵素
    登録番号:特許第4334931号(権利消滅)
  • 2. 発明の名称:ヒト抗体酵素およびその生産方法
    登録番号:特許第4829609号
  • 3. 発明の名称:ケモカインレセプターCCR5のN末端領域に対する抗体酵素
    登録番号:特許第4777785号
  • 4. 発明の名称:ヒトTNF-αに対する抗体酵素およびその利用
    登録番号:特許第4861019号
  • 5. 発明の名称:ヒトIgEに対する抗体酵素およびその利用
    登録番号:特許第5058490号
  • 6. 発明の名称:抗がん剤
    国際公開番号:WO2013/133253
    登録番号:特許第5798199号米国10040863
  • 7. 発明の名称:抗ウィルス剤、抗体酵素、プライマーセット、ポリヌクレオチドの製造方法、およびポリペプチドの製造方法
    国際公開番号:WO2011/102517
    登録番号:特許第5199516号米国9365637
  • 8. 発明の名称:ヒト抗体κ型軽鎖複合体含有組成物およびその製造方法
    国際公開番号:WO2015/025786
    登録番号:特許第6488520号米国10633429
  • 9. 発明の名称:抗体酵素の革新的製造技術
    国際公開番号:WO2021/015237

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