JST >> 知財活用支援事業 >> ライセンス >> “推し”技術情報 >> 神経細胞ネットワークHTS装置

神経細胞ネットワークHTS装置
~シナプス自然放出微小電流を多点で計測~

宇理須 恒雄(株式会社NANORUS)

発明のポイント

細胞膜電位変化発生の素過程ともいえる『シナプス自然放出微小電流』を多点で計測可能な技術を開発し、スクリーニング装置化(世界初!)

神経細胞ネットワーク機能を詳細かつ精密に調査可能

従来技術(Multi Electrode Assay; MEAやCa2+イメージングなど)では、シナプス自然放出微小電流が積算されて発生する『細胞膜電位変化』を測定
⇒ 神経難病の病態検出には精度不足

神経伝達系における電流の様子

発明の概要

4チャンネル培養型プレーナーパッチクランプ装置(展示品)

  • ・プレーナーパッチクランプ方式であるため、多点計測が可能
    高速計測処理が容易に
  • ・Ag/AgCl 塩橋構造電極による低ノイズ化を実現
    イオンチャンネルの電流計測が可能に
  • ・空間的均一性の良い神経細胞ネットワークを形成

シリコン単結晶基板上に細胞外マトリックスを敷き詰め、その上に神経細胞を固定してイオンチャンネルを流れる電流を測定

従来技術との比較

【従来技術】-ピペットパッチクランプ方式

・イオンチャンネル電流計測に最適な方式
・多点測定が困難
・重要な技術だが、技術習得難易度が高い

【本発明の特長】

a. グルタミン受容体のシナプス自然放出微小電流の計測結果

細胞外溶液(BS)+グルタミン酸(Glu)
BS+Glu+AP5+CNQX
AP5
Glu受容体(NMDA型)アンタゴニスト
CNQX
Glu受容体(非NMDA型)アンタゴニスト
NMDA
N-メチル-D-アスパラギン酸(Glu受容体のサブタイプ)

b. 形成された神経細胞ネットワークの様子

時期
培養11日目
緑色
シナプシン
青色
細胞核(DAPI)
倍率
100倍(左)
400倍(右)

空間的均一性の良い神経細胞ネットワークを形成

想定される用途

  • ◎ 神経難病の原因解明と創薬:アルツハイマー病、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、ALS、スティッフパーソン症候群等
  • ◎ 神経科学研究ツール:多数の神経細胞ネットワークから成る系での統計的現象に関する研究手法の提供

ライセンス可能な特許

  • 1. 発明の名称:プレーナーパッチクランプ装置、該装置用電極部及び細胞イオンチャンネル電流計測方法
    国際公開番号:WO2013/094418
    登録番号:特許第6037717号米国10114005
  • 2. 発明の名称:プレーナーパッチクランプ装置及びプレーナーパッチクランプシステム
    国際公開番号:WO2015/030201
    登録番号:特許第6377063号米国9977009
  • 3. 発明の名称:神経細胞ネットワークの形成及びその利用、並びに神経細胞播種デバイス
    国際公開番号:WO2014/045618
    登録番号:特許第6047579号米国9829477
  • 4. 発明の名称:細胞播種培養装置
    国際公開番号:WO2015/111722
    登録番号:特許第6624933号米国10208284

リンク

●この技術のPDF版はこちら

●“推し”技術情報一覧へ戻る

●JST保有特許リストはこちら