採択プロジェクト
国際共同研究
日本-シンガポール「AI」研究領域
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)では、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)と協力し、日本とシンガポールの研究者間で「AI」分野での国際共同研究を支援しています。
相手国協力機関
シンガポール科学技術研究庁(A*STAR: Agency for Science, Technology and Research)
運営主幹 (PO)
柴田 智広(九州工業大学 大学院生命体工学研究科 教授)
新着情報
採択課題一覧
※所属・役職は2025年4月現在の情報。
研究課題名 | マルチリンガル・マルチモーダルな大規模言語モデルを用いた表現豊かで共感的な人間とAIのインタラクション |
---|---|
グラント番号 | JPMJNX25C1 |
研究期間 | 2025年4月~2028年3月(2025年度~2027年度) |
日本側研究代表者 | 河原 達也(京都大学 大学院情報学研究科 教授) |
相手側研究代表者 | ナンシー チェン(科学技術研究庁 情報通信研究機構 グループリーダー) |
課題概要 |
本研究は、言語・文化、さらには話者の個性や感情に応じた応答を行うマルチモーダルな会話AIの開発を目標とする。 具体的には、日本側チームは感情認識、共感的応答生成、及び人間型ロボット・エージェントへの実装を行い、シンガポール側チームは多言語・多文化対応に焦点をあてて研究を行う。 両国の研究チームによる共同研究を通じて、ユーザーの個性や感情を音声や表情から読み取ることで、それに応じた感情豊かで共感的な応答の生成を行い、言語的な応答だけでなく、笑いや表情による応答も実現する。これにより、多言語でマルチモーダルな対話を行うロボット・エージェントを実現し、多言語・多文化共生社会であるシンガポールでの実証を目指す。 |
研究課題名 | 合成データ生成によるロバストな連合基盤モデル |
---|---|
グラント番号 | JPMJNX25C2 |
研究期間 | 2025年4月~2028年3月(2025年度~2027年度) |
日本側研究代表者 | 佐久間 淳(東京科学大学 情報理工学院 教授) |
相手側研究代表者 | チンソン ウェイ(科学技術研究庁 ハイパフォーマンスコンピューティング研究所 主任研究員) |
課題概要 |
本研究は、安全かつ効率的な基盤モデルの学習を、データを分散させたまま学習させる連合学習を通じて実現するためのフレームワークの構築を目指す。 具体的には、日本側チームは、モデル学習におけるプライバシーの問題及び分散したモデルの統合におけるセキュリティの問題に取り組み、シンガポール側チームは、信頼される基盤モデルを連合学習によって実現するための方法論開発とそのセキュリティ・プライバシー保護に取り組む。 両国の研究チームによる共同研究を通じて、基盤モデルの連合学習において懸念されるセキュリティやプライバシーの問題解決が期待される。 |
研究課題名 | マルチモーダル対応の切断:より安全で公平なマルチモーダルAIGCの構築 |
---|---|
グラント番号 | JPMJNX25C3 |
研究期間 | 2025年4月~2028年3月(2025年度~2027年度) |
日本側研究代表者 | 佐藤 真一(国立情報学研究所 コンテンツ科学研究系 教授) |
相手側研究代表者 | ジョエイ シュウ(科学技術研究庁 ハイパフォーマンスコンピューティング研究所 主任研究員) |
課題概要 |
本研究は、マルチモーダルAIシステムの安全性、公平性、有効性を高めることを目的とする。 具体的には、日本側チームは、公平性のための属性消去による人間属性分布の適正化を通じて、AI学習における性別、人種、年齢等のバイアスを軽減した公平性の担保を狙い、シンガポール側チームは、プライバシー保護のためのファジークロスモーダル対応学習を通じて、AI学習におけるプライバシー保護の強化を狙う。また、バックボーンの機械学習フレームワークは共同で開発する。 両国の研究チームによる共同研究を通じて、大規模なモデル学習におけるプライバシーと公平性を同時に担保する方法論を提供し、生成AIのより広範な分野への貢献を目指す。 |
研究課題名 | 統計的に異質なエッジクラウドネットワークにおける効率的かつプライバシー保護された大規模マルチモーダルモデルの学習と推論 |
---|---|
グラント番号 | JPMJNX25C4 |
研究期間 | 2025年4月~2028年3月(2025年度~2027年度) |
日本側研究代表者 | 曹 洋(東京科学大学 情報理工学院 准教授) |
相手側研究代表者 | ウェイ ヤン ブライアン リム(南洋理工大学 コンピュータ科学・工学部 助教) |
課題概要 |
本研究は、エッジクラウドネットワークにおいて、大規模マルチモーダルモデル(LMM)の効率的かつプライバシー保護された学習と推論の実現を目的とする。 具体的には、日本側チームは、連合学習によりプライバシー保護技術を開発し、特にメトリック差分プライバシーや信頼実行環境を使い、LMMの安全性向上を担い、シンガポール側チームは、LMMの効率的な推論のため、エッジとクラウド間データスクを動的に割り振るMisture of Experts (MoE)やRetrieval-Augumented Generation (RAG)のフレームワーク構築を実施する。 両国の研究チームによる共同研究を通じて、高性能かつ低遅延のAIシステムが開発され、国際的な技術進展に貢献することを目指す。 |
研究課題名 | 地震に対する安全性と持続可能性のためのAI活用:AI駆動の地震データ解析技術・地下状態可視化技術・地震ハザード監視技術の深化 |
---|---|
グラント番号 | JPMJNX25C5 |
研究期間 | 2025年4月~2028年3月(2025年度~2027年度) |
日本側研究代表者 | 長尾 大道(東京大学 地震研究所 准教授) |
相手側研究代表者 | ピン トン(南洋理工大学 数理科学研究科 准教授) |
課題概要 |
本研究は、日本とシンガポールの緊密な国際連携に基づいて地震データ解析に関する様々なAIツールを開発・高度化し、AI駆動による地下可視化技術や地震リスク評価技術の刷新を目指すことにより、地震学の発展のみならず、地下エネルギーの利活用や持続可能性のある都市開発に貢献することを目的とする。 具体的には、日本側チームは、日本の地震観測データの整備ならびに地震発生時に最初に到来する地震波であるP波・S波を検出するためのAI技術の高度化を担当し、シンガポール側チームは、シンガポールの地震観測データの整備ならびにP波・S波よりも遅く到来する後続波を検出するAI技術の開発を行う。 両国の研究チームによる共同研究を通じて、AIによる地震発生予測技術が向上し、地震の短周期振動と長周期振動の両者に対して頑健で持続可能性のある都市開発への貢献が期待できる。 |
研究課題名 | 国際海運脱炭素化のためのAI:船舶運航統合モデルの開発 |
---|---|
グラント番号 | JPMJNX25C6 |
研究期間 | 2025年4月~2027年3月(2025年度~2026年度) |
日本側研究代表者 | 花岡 伸也(東京科学大学 環境・社会理工学院 教授) |
相手側研究代表者 | ラン ヤン(南洋理工大学 土木・環境工学研究科 助教) |
課題概要 |
本研究は、国際海運の脱炭素化を推進する日本とシンガポール間のグリーン&デジタル海運回廊の形成に向けて、最先端のAIモデルを活用したアルゴリズムを開発し、有人・無人運航船の輸送効率と脱炭素航行を最適化する統合モデルの構築を目的とする。 具体的には、日本側チームは、気象データの収集と処理、航行アルゴリズムや燃料消費予測モデルの検証、動的航海最適化モデルと経路追従制御モデルの開発および検証を実施し、シンガポール側チームは、AISデータの処理、航行ソリューションや燃料消費予測モデルと動的航海最適化モデル、経路追従制御モデルの開発および改善を実施する。 両国の研究チームによる共同研究を通じて、国際海運の環境負荷を大幅に削減し、より持続可能な海運業界の未来の創造を目指す。 |
研究課題名 | 非接触給電の物理現象を加味した機械学習を用いたスマートモビリティシステムの推進 |
---|---|
グラント番号 | JPMJNX25C7 |
研究期間 | 2025年4月~2028年3月(2025年度~2027年度) |
日本側研究代表者 | 藤田 稔之(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 特任講師) |
相手側研究代表者 | イー タン(南洋理工大学 電気電子工学科 准教授) |
課題概要 |
本研究は、スマートモビリティ向け非接触給電システムについて電磁気学や回路理論を加味した機械学習を行うことで制御性能の高速化及び電力伝送コイルの設計と性能の向上を目的とする。 具体的には、日本側チームは、AI学習を用いた制御器設計を行い、シンガポール側チームは、非接触給電コイルのAI学習を用いた多目的最適化を実施する。 両国の研究チームによる共同研究を通じて、非接触給電システムのさらなる発展および両国間のAI関連技術レベルの向上及び産業振興を含めた関係強化が期待される。 |
研究課題名 | AI駆動の気候変動にレジリエントな冷房:混合モード換気のためのロバストな強化学習 |
---|---|
グラント番号 | JPMJNX25C8 |
研究期間 | 2025年4月~2028年3月(2025年度~2027年度) |
日本側研究代表者 | 宮田 翔平(東京大学 大学院工学系研究科 特任講師) |
相手側研究代表者 | エイドリアン チョン(シンガポール国立大学 建築環境学部 准教授) |
課題概要 |
本研究は、冷房時に自然換気を最大限活用する混合モード換気(MMV)の技術開発・AIによる高度化を目的とする。 具体的には、日本側チームは、空調設備や室内環境について、物理ベースのシミュレーションとデータ駆動のニューラルネットワークを組み合わせることで高い精度と速い計算速度を兼ね備えたシミュレーションモデルを構築し、シンガポール側チームは、実験環境の提供とMMV制御のための強化学習アルゴリズム開発を、特にドメイン適応に着目して推進する。 両国の研究チームの強みを組み合わせることで、より快適・省エネルギーで、さらにスケーラブルなMMV制御の実現が期待される。同時に、冷房需要の増加が社会問題となっているASEAN諸国と密接な情報交換や実験協力を実施することで、ASEAN地域へのMMV関連の技術展開が期待される。 |
研究課題名 | 東および東南アジアにおける動的かつ持続可能な食糧計画のための大規模言語・マルチモーダルモデルの開発 |
---|---|
グラント番号 | JPMJNX25C9 |
研究期間 | 2025年4月~2028年3月(2025年度~2027年度) |
日本側研究代表者 | 山肩 洋子(東京大学 情報基盤センター 教授) |
相手側研究代表者 | タット セング チュア (シンガポール国立大学 コンピューティング学部 教授) |
課題概要 |
本研究は、気候変動により動的に変化する食糧事情に対し、Webを介して収集した食にまつわるあらゆるデータを解析することで、人々がリアルタイムに食の状況を把握する手助けをする大規模言語モデル(LLM)および大規模マルチモーダルモデル(LMM)の開発を目的とする。 具体的には、日本側チームは、食に関するローカルニュースやSNSおよび衛星画像データ等を収集・分析すると同時に、食事記録から人々の食行動による環境影響を解析・可視化する食事管理アプリを開発し、シンガポール側チームは、日本側チームから提供されたデータを用いて食に特化したLLMおよびLMMを構築する。 両国の研究チームによる共同研究を通じて、東および東南アジア地域における食糧生産・流通計画を、人々がより柔軟かつ迅速に再設計できるようになることが期待される。 |
研究課題名 | 都市ヒートアイランド現象のモニタリングと緩和のための資源効率の高い基盤モデルの開発 |
---|---|
グラント番号 | JPMJNX25CA |
研究期間 | 2025年4月~2028年3月(2025年度~2027年度) |
日本側研究代表者 | 横矢 直人(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授) |
相手側研究代表者 | シージェン ルー(南洋理工大学 コンピュータ・データサイエンス学部 准教授) |
課題概要 |
本研究は、都市ヒートアイランド現象のモニタリングと緩和のための革新的な基盤モデルを開発することを目的とする。 具体的には、日本側チームは、衛星画像、航空写真、気象データなどのマルチソースデータを統合し、高解像度の温度パターン推定と3Dセマンティック再構成モデルを作成し、シンガポール側チームは、地理空間データを解釈し、都市計画に対する実用的な提言を生成するための視覚質問応答と視覚的グラウンディングの技術を開発する。 両国の研究チームによる共同研究を通じて、資源効率の高いAI技術を統合し、都市の気候レジリエンスを強化するための新たなフレームワークの構築を図る。また、これにより、スマートシティ管理や環境モニタリングに必要な新しいツールや技術の成長を促進し、持続可能な都市環境実現への貢献を目指す。 |
報告書
後日掲載予定
事後評価
後日掲載予定