次世代蓄電池 ALCA-SPRING の概要


ALCA次世代蓄電池(ALCA-SPRING:ALCA-Specially Promoted Research for Innovative Next Generation Batteries)は、ALCAの特別重点技術領域として、平成25年に発足しました。

現行のリチウムイオン電池の次世代型となる高容量蓄電池の研究開発を加速する事を目的に、従来の蓄電池の性能を凌駕する革新的な蓄電池の創製を目指し、実用化の基礎・基盤研究を加速するためのプロジェクト研究を推進します。

ALCA-SPRINGは、各々の電池について、活物質・電解質・セパレータなどの個別材料や要素技術の開発、メカニズムの解明にとどまらず、蓄電池として最大のパフォーマンスが発揮できるよう、電池の最適化研究を重視し、チームリーダーのリーダーシップのもと、チームが一体となって研究を推進します。

詳しくはALCA-SPRINGリーフレットもご覧ください。(2018.10)

ALCA-SPRING leaflet

ご挨拶


program officer photo

CO2全排出量の約10%にあたる自動車の排出量削減と再生可能エネルギーの安定化のために低コストで高性能な次世代蓄電池が必要ですが、現在普及しているリチウムイオン電池のエネルギー密度とパワー密度には限界があるため、革新的な次世代蓄電池の実現が重要となっています。

文部科学省と経済産業省の合同検討会でトップダウンアプローチによる次世代蓄電池が取り上げられ、平成25年7月に本プロジェクトがスタートしました。
次世代蓄電池の有力候補の中から、全固体電池(硫化物系・酸化物系)、金属空気電池、その他・中期目標の電池、その他・長期目標の電池の4種類の電池系を選択し、4チーム体制で発足しました。チーム構成はいずれのチームにも正極・負極グループ、電解質材料グループ、評価解析グループの他、電池セルを研究する電池システムグループを置くことで一気通貫に電池研究が可能なチーム構成としました。更に、蓄電池の分析評価やセル試作等が可能な蓄電池基盤プラットフォームをNIMS、産業技術総合研究所および早稲田大学に設置し、各電池チームの研究を支援しています。これらを合わせると40以上の研究機関、80名以上の研究代表者が属する、極めて大きな研究プロジェクトとなっています。
このようにALCA-SPRINGでは「低炭素社会実現の可能性を高め、予め目標となる製品やシステムを示したトップダウン型のチーム研究」を推進しています。

ALCAのプロジェクト運営の特徴の1つであるステージゲート評価を平成27年夏に行い、「次世代蓄電池を実現するために」という視点からチームを再構築し、平成28年度から新たなチーム体制で再出発しました。この新チーム体制では、全ての電池系に共通する課題である「リチウム金属負極」と「評価解析・共通技術」を研究する横断的な組織「実用化加速推進チーム」を設置し、評価施設である蓄電基盤プラットフォームとリンクした形で、重点課題の研究を加速しています。

以上のような活動を通じて、「電池にする」という視点から材料技術等のシーズ技術とサイエンスを追求しつつ、若手研究者の育成にも注力しています。多くの研究者の成果が総合的に次世代蓄電池の成果に結びつくよう、皆様のご協力をお願い申し上げます。

ALCA-SPRING プログラムオフィサー 魚崎 浩平

次世代蓄電池 ALCA-SPRING の運営体制


ガバニングボード

蓄電池研究開発事業等に関連する有識者や文部科学省、経済産業省、関係研究機関から構成。

システム研究・戦略検討チーム
(コーディネータ:橋本 和仁)

ALCA-SPRING 次世代蓄電池

  • 分科会

    運営総括(PO)を主査とし、外部有識者・専門家で構成。

    事業推進委員会に推薦する採択候補課題の選考やサイトビジットなどを通した日常的な課題管理、ステージゲート評価などを実施する。

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成果の提供

経済産業省・NEDO
蓄電池基盤プラットフォーム