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国際共同研究

国際的な科学技術研究協力の推進と支援

グローバルな問題の解決へ2018年度更新

今日、地球温暖化に伴い気候変動、エネルギー、食糧などの分野でさまざまな問題が生じている。これらは1ヶ国で対応できるものではなく、国際社会との連携が必要不可欠だ。JSTではグローバルな問題の解決だけでなく、情報通信など、わが国の科学技術・イノベーション力の更なる発展と科学技術外交の強化にも貢献している。

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)

SATREPS(サトレップス)は、開発途上国のニーズを基に、地球規模課題※1を対象とし、社会実装※2の構想を有する国際共同研究を政府開発援助(ODA)と連携して推進するプログラム。
本プログラムでは、地球規模課題の解決及び科学技術水準の向上につながる新たな知見や技術を獲得することや、これらを通じたイノベーションの創出を目的としている。また、その国際共同研究を通じて、開発途上国の自立的研究開発能力の向上と課題解決に資する持続的活動体制の構築を図っている。
(2008年4月以降、世界47ヶ国で125プロジェクトを採択)

※1 地球規模課題:一ヶ国や一地域だけで解決することが困難であり、国際社会が共同で取り組むことが求められている課題。
 ※2 社会実装:具体的な研究成果の社会還元。研究の結果得られた新たな知見や技術が、将来製品化され市場に普及する、あるいは行政サービスに反映されることにより社会や経済に便益をもたらすこと。

戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)

SICORP(サイコープ)では、科学技術・イノベーション力の更なる向上のため、省庁間合意に基づいて設定された協力相手国・地域および研究分野で、対等で友好的なパートナーシップに基づく共同研究を実施している
(SICORP:10ヵ国・5地域 78課題支援中、29課題終了 /SICP:22カ国・2地域 372課題終了 2017年1月末現在)

※SICP(戦略的国際科学技術協力推進事業/2003年度開始)は、2013年度で新規採択を終了し、SICORPへ移行。

e-ASIA JRP

アジア地域において科学技術分野の研究交流を加速することにより研究開発力を強化するとともに、アジア地域が共通して抱える課題の開発を目指す。相手国ファンディング機関と連携しながらイコールパートナーシップにより、 主に材料(ナノテクノロジー)・代替エネルギー・農業(食料)・防災等の研究分野で多国間協力を推進している。

EIG-CONCERT-Japan

EIG-CONCERT-Japanは、その前身の欧米諸国と日本の科学技術協力を効果的、強調的に進めることを目的としたEUの研究・技術開発フレームワーク・プログラム(FP7)における国際協力活動プロジェクトCONCERT-Japanの後継プログラムとして新たに設立された。科学技術政策等の情報交換、相互学習、ネットワークの構築の他に共同公募を行っている。

Belmont Forum

グローバルな地球環境変動研究へのファンディングを行うために、世界13カ国の政府とファンディング機関および3つの国際組織が参加する国際会合。1980年代から始まった国連を中心とした地球気候研究に関する国際的プログラムを統合したフューチャーアース・イニシアティブとも協働し、同イニシアティブの国際共同研究の支援を行うプログラムとして位置づけられている。

国際共同研究拠点(CHIRP)

外交上の観点から日本にとって重要なASEAN地域とインドにおいて、従来の国際協力により得られた成果やネットワークの実績を活かし、地球規模課題・地域共通課題の解決やイノベーションの創出、我が国の科学技術力の向上、相手国・地域との研究協力基盤の強化を目的として、日本の「顔のみえる」持続的な共同研究・協力を推進する。

J-RAPID

J-RAPIDは自然災害や人的災害など不測の事象が発生し、データの取得、問題の解決のために緊急に研究・調査を実施する必要がある場合に、機動的にその活動を支援することを目的としている。国などが本格的な研究・調査体制を整える前に、研究機関と協働して迅速に初動的な研究・調査を支援することにより、本格研究・調査への「橋渡し」としての役割を担う。

JSTが推進する研究交流・共同研究

  • ベトナム
    画像:ベトナム
    低炭素領域
    高効率燃料電池と再生バイオガスを融合させた地域内エネルギー循環システムの構築
    ベトナム・メコンデルタ地域において、農業・水産業からの有機性廃棄物からバイオガスを製造し、固体酸化物形燃料電池(SOFC)により直接電力に変換する一連の手法を見出した。2016年9月にはベトナム初のSOFC研究開発棟が開所し、国際連携の拠点となることが期待される。
    九州大学大学院 工学研究院 准教授 白鳥 祐介
  • パラオ
    画像:パラオ
    環境領域
    サンゴ礁島嶼系における気候変動による危機とその対策
    生物群集の特徴把握や未記載種の発見、パラオの各海域に見られる生物集団間の遺伝的つながりを明らかにした。
    また、気候変動による将来影響予測をおこないつつ、社会科学的調査により、今後の持続的な観光/経済資源としてのサンゴ礁の適正利用に資する知見抽出をおこなった。
    琉球大学 理学部 准教授 中村 崇
  • インド
    画像:インド
    安全なIoTサイバー空間の実現
    今後の人間の生活を大きく便利に変えるIoTからの情報を利用する社会システムを安全・安心にするための研究をインドと共同で行っている。
    本共同研究は、日本の計算機科学とインドの電気工学を融合している点と、開発したIoTシステムを安全・安心に利用できるための人間の教育まで取り組んでいる点が特徴的である。
    毎年、ワークショップを開催し、研究の進捗を広く公開している。
    九州大学 サイバーセキュリティセンター センター長・教授 岡村 耕二
  • フランス
    画像:フランス
    CO2還元と水素発生のための分子フォトカソード
    日本―フランス共同研究においては、太陽光を化学エネルギーに変換する新たな分子技術を創成することを目指した。日本側が開発した水の酸化を駆動する光アノード電極と、日本側が開発した二酸化炭素の還元分子光触媒もしくはフランス側が開発した水素発生分子光触媒を組み合わせることで、可視光によって水を電子源とする二酸化炭素還元および水素発生を駆動することに成功した。
    東京工業大学理学院 教授 石谷治
  • メキシコ
    画像:メキシコ
    生物資源領域
    メキシコ遺伝資源の多様性評価と持続的利用の基盤構築
    生物多様性の豊かなメキシコで、農業遺伝資源の多様性評価、長期保存法の確立等の研究を行った。また、メキシコ政府からハヤトウリの研究用分譲承認を取得した。これは、名古屋議定書に基づくメキシコ−日本間分譲の第1号であり、植物遺伝資源国際移転のモデル事例となった。
    筑波大学 遺伝子実験センター 教授 渡邉 和男
  • 世界地図
  • 日本
    画像:日本
    J-RAPID 熊本地震
    2016年4月に発生した熊本県熊本地方を震源とする地震を受け、国際緊急共同研究・調査支援プログラム(J-RAPID)を発動。被害状況調査、復興に向けての研究等8課題を実施した。
    東北大学 大学院工学研究科 都市・建築学専攻
    教授 前田 匡樹
  • チリ
    画像:チリ
    防災領域
    津波に強い地域づくり技術の向上に関する研究
    津波防災能力向上に向けて、津波被害推定技術、高精度津波警報手法の開発、津波災害に強い街づくりのためのプログラム提案等を実施。こうした取組みにより、2014年4月1日にチリ・イキケ沖で発生したMw8.2の地震では、市民の速やかな避難につながった。
    港湾空港技術研究所 アジア・太平洋沿岸防災研究センター 副センター長 富田 孝史
  • ブラジル
    画像:ブラジル
    環境領域
    “フィールドミュージアム”構想によるアマゾンの生物多様性保全
    アマゾンに生息するマナティ等の生物の自然観察研究施設と保護区からなる“フィールドミュージアム”をブラジル・マナウス近郊に整備する。また、バイオロギング等日本の先端的技術を駆使した研究により、生態系を保全する方法を確立するとともに、エコツーリズムなどを通じた地域社会経済の持続的発展を図っていく。
    京都大学 野生動物研究センター 教授 幸島 司郎
  • インドネシア
    画像:インドネシア
    低炭素領域
    CO2の地下貯留及びモニタリングに関する先導的研究
    両国の協働で中部ジャワ州のグンディガス生産施設で排出するCO2を用いた東南アジア初のCCS実証試験。地球科学的手法により圧入サイトを決定し、電磁、重力、地震探査法等のベースライン調査を完了し、ADB(アジア開発銀行)の支援による地上設備の構築へ進展中である。
    京都大学 学際融合教育研究推進センター 特任教授 松岡 俊文
  • アメリカ
    画像:アメリカ
    低炭素社会のメタボロミクス
    単細胞藻類のオープンアクセス・メタボロームデータベースを構築し、工業利用可能な微細藻類の代謝物を計測したメタボロームデータを公開する研究。微細藻類における代謝物の生合成関連遺伝子や代謝物の生理活性に関するデータも収集し、KNApSAcKのサブデータベースとして公開。
    東京大学 准教授 有田 正規
  • カメルーン
    画像:カメルーン
    防災領域
    カメルーン火口湖ガス災害防止の総合対策と人材育成
    北西州ニオス湖に自動観測ブイを設置、水温・電気伝導度のリアルタイム観測を可能にした。またマヌン湖には太陽電池で深層水を組み上げる装置を設置。湖水爆発の危険性評価のための組織を創設し、コンピュータシュミレーションによる可能性評価を実現した。2016年3月、カメルーン政府よりカメルーン、日本両国の研究者に対し「Ordre de la Valeur」勲章が授与された。
    東海大学 理学部 教授 大場 武
  • e-ASIA
    画像:e-ASIA
    防災領域
    雷放電観測網及び超小型衛星を活用した極端気象の監視と予測
    雲の立体構造を衛星からのステレオ観測で求める手法開発を、既存の超小型衛星(DIWATA-1)を用いて行った。その結果、中解像度(60m)及び高解像度(3m)のそれぞれの画像から、雲の3次元モデルを作成することに成功した。超小型衛星搭載用の、ボロメータ型赤外線カメラの開発を進め、また地上電波観測による雷放電の位置評定プログラムの開発に着手した。
    北海道大学 大学院理学研究院 教授 高橋 幸弘
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