プロジェクト紹介

幼児教育の「質」が子供の学力や非認知能力に与える効果の検証

研究代表者

研究代表者:中室 牧子
中室 牧子
慶應義塾大学総合政策学部 教授

プロジェクトの目標

現在、わが国では、32万人とも推計される待機児童の解消に目途が立っておらず、政策の優先順位は保育所の「量の拡充」にあり、幼児教育の「質の向上」にはほとんど注意が向けられていない。しかし、海外で見られたように、「量」の拡充に伴って、「質」が低下し、子供たちの将来の成果に悪影響を及ぼさないかということが懸念される。幼児教育無償化政策のもとで、待機児童を解消しつつ、同時に「質」の高い幼児教育を提供することはできるか。本プロジェクトでは、この問いに対する科学的根拠の蓄積と幼児教育に関する政策形成に貢献することを目指す。具体的には、日本版の「保育環境評価スケール」の開発を行うと同時に、自治体と共同で調査対象の幼稚園・保育所に通う子供たちを経年で追跡し、日本版「保育環境評価スケール」によって計測された幼児教育の「質」が子供たちの発達や(小学校就学後の)学力・非認知能力に与える影響を定量的に明らかにする。

プロジェクトの概要

本プロジェクトでは、幼児教育の「質」が子供たちの発達や就学後の学力に与える影響を明らかにする研究を、首都圏の2自治体と共同で実施する。「保育環境評価スケール」を用いた幼児教育の質の評価を行う。評価の対象となるクラスに在籍する児童の発達の計測のほか、児童の保護者と担当保育士に対する質問紙調査も実施する。自治体内の幼稚園・保育所で、悉皆的に、保育の質、児童の発達、児童の保護者と担任保育士の状況についてデータを取得し、同一児童を中学校卒業時まで追跡する。同評価スケールの結果に基づいて幼稚園や保育所にフィードバックを行うことがスケールのスコア自体と、その後の児童の発達や学力に与える影響についても検証を行う。


プロジェクトイメージ

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