プロジェクト紹介

デジタルツイン都市を活用した危機管理下での政策決定支援

研究代表者

研究代表者:佐々木 邦明
佐々木 邦明
早稲田大学創造理工学部社会環境工学科 教授

プロジェクトの目標

1)シミュレーションの基盤の構築
都市政策の決定支援のベースとして,都市をデジタル空間上に再現する

2)人と物の動きの再現シミュレーション
デジタルツイン都市上でシミュレーション可能な人・物の動きを再現するモデルを構築しデジタルツイン都市上に実装する

3)都市モニタリングとシミュレーションを活用した危機管理下の政策決定支援
インフラの障害等が発生した際に,リアルタイムモニタリングデータを活用して短期的な予測を行い,インフラ回復時のマネジメントを経済的な損失等を考慮して定めることを可能にする

4)デジタル都市の政策活用
このようなシミュレーションシステムが実際の政策決定に活用されるために必要な条件が何であるかを,政策担当者とコミュニケーションを図りながら明らかにしていく

プロジェクトの概要

本プロジェクトでは,危機管理時における政策意思決定の改善を目標としている.これまで危機管理下の意思決定においてデータを活用した政策決定は進んでいない.その理由として,危機管理下においてはこれまでのデータが適用が困難で,不確実性が高いことがあげられるが,それゆえに過去の経験だけから推しはかることは不十分な可能性がある.近年,IoTの進展により,人流など様々な都市の状態をリアルタイムに観測したデータの収集が可能になってきている.本プロジェクトでは,そのデータを活用して,危機管理下の政策意思決定を支援し,安心・安全な都市の実現を実現することが目標である.

そのために,実際の都市をデータ化し,それをコンピュータ上に再現する「デジタルツイン都市」に着目する.デジタルツイン都市上に人の動きやモノの動きを再現するシミュレータを実装する.これによって,デジタルツイン都市の人やモノの動きを再現する.そこにリアルタイムモニタリングによるデータを導入し,平常時のデータを用いたシミュレーションを危機管理時に対応させる技術を開発する.これによって,これまでシナリオ分析や,社会実験等に頼ってきた様々な危機管理時の課題対応を,即時の数値的予測に基づいて検討することが可能になる.

科学技術イノベーションの視点からは,デジタルツイン都市と移動・物流モデルによるシミュレーション,さらにリアルタイムモニタリングの既存技術の組み合わせとその発展によって,様々な政策の意思決定において,経験的・属人的意思決定から,データ指向・データ駆動型の政策決定へのイノベーションにつながり,その活用は,危機管理下に置いて,社会における経済的・社会的な損失を低減することにつながる.


プロジェクトイメージ

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