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「2015 福島再生可能エネルギー研究所(FREA)一般公開」に出展しました

 平成27年8月22日(土)に、産総研福島再生可能エネルギー研究所(FREA、福島県郡山市)において、一般公開イベントが開催され、約250名の方が来場されました。この中で、本事業からも出展等を行いました。

「中学生のための太陽電池教室」(第3回)

 前回までは郡山市こども総合支援センター(ニコニコこども館)で開催してきましたが、今回は当プロジェクトの研究拠点のあるFREAでの開催とし、最先端の研究現場をより身近に感じて頂けるプログラムとしました。

 当日は中学生を中心とし、保護者や一般の方を含む18名が参加しました。

 小長井誠(こながい まこと)研究総括(東京都市大学総合研究所教授)から、太陽光発電のしくみや特徴、太陽光発電システム等についての講義と、昨年4月に全国の大学から研究メンバー・実験設備をFREAに集結して始動した、本事業の研究拠点についての紹介がありました。

 講義の後、3種類の体験コーナーを設けて、参加者は各コーナーで様々な体験をしました。各コーナーでは、本事業の研究員たちが講師やアシスタントを担い、参加者の体験のサポートをしました。

 小長井研究総括のサイエンスショーのコーナーでは、太陽電池等で使用されるシリコンカーバイドの板を使って氷を切る実験を行いました。サーモグラフィーを見ると、この素材はステンレスやガラスと比べ、熱の伝わり方が非常に早いことが確認でき、この性質により氷が切れることを理解しました。

 レーザーマーカー基盤加工観察のコーナーでは、レーザーの原理や特徴、レーザー加工がどのようなものに使われているか、太陽電池にどのように利用されているかなどを学びました。

 また、本事業の研究ではサンプル番号の印字やシリコン基板の割断にレーザーが使用されており、実際にレーザー加工されたシリコン基板を割断する体験をしました。

 サンプル基板に印字する様子も観察しました。ここでは、レーザー加工できる素材、できない素材(ガラス等)の違いも学びました。

 CVDによるプラズマデモのコーナーでは、薄膜太陽電池の作製に使用しているプラズマCVD装置を用いてプラズマの観察を行いました。窒素、水素ガスを使用してプラズマを発生させ、その色を確認しました。このことから自然界のプラズマ現象であるオーロラの色が赤色や緑色である理由を学びました。

 また、テスタを用いて太陽電池に使用される薄膜の抵抗値を測定し、膜の種類によって抵抗値が異なることを確認しました。様々な特性の膜を組み合わせることで太陽電池が作製されていることを学びました。

 最後に小長井研究総括から一人ひとりに「未来博士号認定証」と記念品が手渡されました。

 主に中学生を対象とした太陽電池教室でしたが、今回はご家族での参加が多く、親御さんから小さいお子さんまで楽しんでいただけたようでした。


ラボツアー

FREAの研究サイトを巡るラボツアーは7回、各回2班に分かれて行われ、約210名の参加がありました。本事業の実験施設も、ツアーサイトの一つとして、研究員が本事業の概要説明とあわせて参加者に紹介しました。


ミニレクチャー

FREAで研究する各分野の若手研究員が、最先端の研究をわかりやすく解説するミニレクチャー。本事業からも2人の研究員が講師としてレクチャーを行いました。

 小野聖(おの さとし)研究員は午前の部にて「超入門!シリコン結晶を成長させる3つの方法」と題して講演しました。太陽系誕生以来の太陽エネルギー利用の歴史解説から始まり、シリコン結晶成長方法の解説の後、結びに”太陽電池で世界のエネルギーを巡る争いを解決したい”という研究への意気込みを披露しました。

阿部祐介(あべ ゆうすけ)研究員は午後の部にて「高性能シリコン太陽電池の作り方」と題して講演しました。太陽光発電の原理からシリコン太陽電池の特性や作製プロセスをわかりやすく解説し、さらには本事業での目標である変換効率向上達成の狙いについてもわかりやすく解説しました。


太陽電池コレクション展示

小長井研究総括が所蔵している、歴史的なものから近年に至るまでの数々の太陽電池セルやモジュール、太陽電池が導入され始めた当初の腕時計や電卓等を展示しました。大人の方が足を止めて、「懐かしい」「こんなものもあったなぁ」と言いながらコレクションを眺めていました。

 当事業では今後も、一般の方が当事業の取組や太陽電池に対する興味関心を高めていただけるような活動を続けてまいります。

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