4.研究開発課題の個別評価 (8)超高精度多周波光パルス発生器

研究成果最適移転事業成果育成プログラムC(プレベンチャー)
(旧:新規事業志向型研究開発成果展開事業)
平成11年度採択課題事後評価報告書

平成14年12月

研究成果最適移転事業成果育成プログラムC(プレベンチャー)評価委員会
(旧:新規事業志向型研究開発成果展開事業選考評価委員会)

4.研究開発課題の個別評価

(8)超高精度多周波光パルス発生器

リーダー 興梠 元伸(東京工業大学総合理工学研究科 助手)
サブリーダー 仲本 修

1 )) 研究開発の概要
 光共振器と光位相変調用結晶を一体化することにより、単一周波数のレーザー光から複数の周波数のレーザー光(光周波数コム)を得る装置を開発する。分析機器の簡便なレーザー光源や多重光通信用の光源としての利用が期待される。

2 )) 事後評価内容
A)成果
 出力10mW以上、スパン5THz以上の性能をもつバルク型光コム発生器のモジュール化を行うことが目標であった。スパン6THz、出力数mW、出力強度安定性3%以下のバルク型光コム発生器のモジュール化に成功し、商品化した。
 光導波路型の完成を最終的な目標とし、ここに到達するまでの前段階としてバルク型を展開することとしていた。前者は完成間近のところまで到達したが、商品化にはさらに時間が必要である。後者については商品化まで終了しており、すでに販売が開始されている。これらの成果をもとに、株式会社光コム研究所を設立した。
 特許出願数:20件

B)評価
計画の達成度: バルク型光コム発生器については当初の計画をほぼ達成し、光導波路型は完成まであと一歩のところまで到達した。
知的財産権: 有望な特許出願を行っており、新機能を持った光導波路型光周波数コムの特許を含め、多数の特許を出願し、知的財産権の確保が十分に行われている。今後も継続的に知的財産権を追加確保することが望まれる。
起業化計画: 当初の期待どおりではないが、妥当な計画に沿い、起業化は順調にスタートし、地道ではあるが確実に企業活動を進めている。
新産業創出: 今後、光通信分野や計測関連の分野に寄与する技術であるが、ITバブル崩壊の影響を最も大きく受けた分野であり、期待通りの発展をするにはかなりの時間を必要とする。それまで持ちこたえることができれば、波及効果により新産業創出は十分に期待できる。
総合・その他: 本テーマは研究開発の中でも最先端のものであり、事業としての組み立ての難易度が高いものである。ITバブル崩壊の影響を最も大きく受けた分野であり、何とか、小規模でよいから着実なビジネス展開を行いながら、事業発展の時期を待つことが必要である。

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