研究成果最適移転事業成果育成プログラムC(プレベンチャー)
(旧:新規事業志向型研究開発成果展開事業)
平成11年度採択課題事後評価報告書
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研究成果最適移転事業成果育成プログラムC(プレベンチャー)評価委員会
(旧:新規事業志向型研究開発成果展開事業選考評価委員会)
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4.研究開発課題の個別評価 |
(2)高精細プリンター用のマルチ対応光走査装置 |
リーダー | : | 小俣 公夫 |
サブリーダー | : | 新田 勇(新潟大学大学院自然科学研究科 助教授) |
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1 )) 研究開発の概要
高精細プリンター用のマルチ対応光走査装置は、印刷等に用いられる高精細プリンター用の印字や描画のためのレーザー光走査装置である。レンズ部の締め具にシュリンクフィッタ機構を組み込むことにより温度が変化しても精度の安定性に優れ、高速、高精度、広範囲な光走査を可能とする。プリント基板用高精細プリンターや印刷用プリンター用光走査装置として利用が期待される。
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2 )) 事後評価内容
A)成果
単位操作ユニット開発として、本テーマのキーとなるシュリンクフィッタの開発に関して目標は達成している。特に信頼性に関しては500時間程度で初期変形が終わり、その後の変形は極めて少ないことが確認された。また、専用樹脂開発の結果、温度変化によるレンズ位置変化は従来の1/3に縮小され、ビーム径悪化率も15%程度と小さい。マルチポリゴン走査装置開発について、当初6ユニットの連結を考えていたが、4ユニットにスケールダウンしての試作となった。その結果、目標としていた2μmでのドット位置制御は達成できなかったが、2.5μmまでは達成でき、印字結果はほぼ満足できる状態となった。従来に比して、10~20倍の高速性が得られるマルチポリゴン方式を実現した。これらの成果をもとに、株式会社オプセルを設立した。
特許出願数:4件
B)評価
計画の達成度: |
シュリンクフィッタの開発に関する目標は達成しており、さらに従来に比して、10~20倍の高速性が得られるマルチポリゴン方式実現の目標も達成した。技術的完成度は完全ではなく、製品化に関する課題は残っているものの、計画はほぼ達成された。 |
知的財産権: |
特許を4件出願し、知的財産権の基本的なものは確保されているが、今後の長期的展望に基づいて、応用分野での特許出願などを盛り込み、より充実したパテントポートフォリオを追求すべきである。 |
起業化計画: |
今後ポテンシャルカスタマと密にコンタクトしながら、開発スピードをより向上させる、あるいは途上国向けの売り込みを行うなどの対策も考慮して、製品仕様などを柔軟に決定し、より市場に受け入れられるような対応を取っていく必要がある。 |
新産業創出: |
本開発は現状ある装置をコストダウン、あるいは高性能対応にするものであり、基本的に全く新しい産業を創出することは考えにくいが、市場の拡大や、印刷、プリント基板、医療など微細技術を必要とする分野への応用により、新規ビジネスの可能性が生まれ、その点で新産業創出の期待が高まる。 |
総合・その他: |
印刷業界、プリント基盤業界では高スピード、微細化及びコストダウンが求められている。市場ニーズも認められる完成部品ではあるが、あくまでもユニット部品であり、同社の製品が組立メーカーに採用されるかが焦点である。価格政策(原価と連動)、メンテナンスの対応、販売チャネルを如何にするかなどの課題がある。印刷業界、プリント基盤業界では高スピード、微細化及びコストダウンが求められており、その面でビジネス成功のチャンスは十分ある。 |
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