4.研究開発課題の個別評価 (1)可変型遺伝子トラップ法によるトランスジェニックマウス作製技術

研究成果最適移転事業成果育成プログラムC(プレベンチャー)
(旧:新規事業志向型研究開発成果展開事業)
平成11年度採択課題事後評価報告書

平成14年12月

研究成果最適移転事業成果育成プログラムC(プレベンチャー)評価委員会
(旧:新規事業志向型研究開発成果展開事業選考評価委員会)

4.研究開発課題の個別評価

(1)可変型遺伝子トラップ法によるトランスジェニックマウス作製技術

リーダー 井出 博之
サブリーダー 山村 研一(熊本大学発生医学研究センター 教授)

1 )) 研究開発の概要
 遺伝子組換実験動物であるトランスジェニックマウスを高効率で作製する技術であり、ランダムに遺伝子に導入する事が可能な新しいトラップベクターを用い、従来法よりも効率良くヒト疾患に類似したモデルマウス等を作製することが可能である。作製したマウスがどのような性質をもつのかを効率良く評価する方法を確立することにより、低価格で多種類のトランスジェニックマウスを作製することが可能であり、バイオサイエンス、医薬品研究開発分野での利用が期待される。

2 )) 事後評価内容
A)成果
 受精卵移植技術を標準化し、目標とした200キメラ系統のうち120系統を樹立し、そのための表現型の解析を実施した。市場及び他の研究機関等の技術動向に関する調査をして、競合すると思われる他の技術に関して特許調査を実施した。また、系統樹立したマウスのうち、2種類のマウスについて特許を出願しており、知的財産権の確保を達成した。これらの成果に基づき、株式会社ユージーンを設立した。
 特許出願数:2件

B)評価
計画の達成度: トランスジェニックマウスの作製技術を標準化し、既に生産会社に技術移転も果たしていることから、計画は達成されたと考えられる。
知的財産権: 特徴ある2種類のマウスについて特許を出願しており、確保したといえる。極めて競争が厳しい分野であるため引続き特許出願に努める必要がある。
起業化計画: 本課題から起業されたユージーン社は、知的財産権を活用した企業を目指し、当該マウスの作製に関わる技術移転、コンサルタント等の事業を展開し、一方、キメラマウス作製のための大規模施設はトランスジェニック社が担当する。両社間での分業体制を確立し事業をすすめることは人材、経営、資金管理上、妥当と考えられる。
新産業創出: 医薬、バイオ関係で使用される実験動物を迅速、低コスト、多種類に提供することにより関連産業の成長、発展に欠かすことのできない基礎事業となり、新産業創出の期待、効果は高い。
総合・その他: 極めて競争が厳しい分野であるため、引続き競合特許に留意しつつ特許出願し、受精卵での遺伝子挿入法等の検討も継続することを期待する。

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