戦略的基礎研究推進事業 平成13年度新規採択 
研究代表者及び研究課題一覧


 
3. 戦略目標「新しい原理による高速大容量情報処理技術の構築」
研究領域:「情報社会を支える新しい高性能情報処理技術」
     −量子効果、分子機能、並列処理等に基づく新たな高速大容量コンピューティング技術の創製を目指して−
氏名 フリガナ 所属機関 所属学部・学科など 研究課題名
伊藤 公平 イトウ コウヘイ 慶應義塾大学 理工学部物理情報工学科 専任講師 全シリコン量子コンピュータの実現
井上 光輝 イノウエ ミツテル 豊橋技術科学大学 工学部電気・電子工学系文部科学 教官 教授 超高速ペタバイト情報ストレージ
中島 浩 ナカシマ ヒロシ 豊橋技術科学大学 工学部・情報工学系 教授 超低電力化技術によるディペンダブルメガスケールコンピューティング
萩谷 昌己 ハギヤ マサミ 東京大学 大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻 教授 多相的分子インタラクションに基づく大容量メモリの構築

総評 : 研究統括  田中 英彦(東京大学大学院情報理工学系研究科 研究科長)

 「革新的な情報処理技術を目指して」

 研究領域「情報社会を支える新しい高性能情報処理技術」は、本年度から募集を開始した新しい研究領域である。

 現行のコンピュータをベースとした情報処理技術は、20世紀の情報革命において飛躍的な進化を遂げ、社会の変革に多大な役割を果たしてきた。しかし、各種の技術的限界により、今までのペースでの性能・容量の向上は望めなくなってきている。一方で多様化、複雑化する情報処理形態に伴って、情報処理技術のさらなる高性能化に対する社会的ニーズは依然として高く、これらのニーズに応える技術の確立が喫緊の課題となっている。

 本研究領域は、高性能情報処理技術の中核をなすと考えられる全く新しい原理に基づく情報処理技術に関する研究、及び、従来のコンピュータシステムを新たな時代の要求に合わせて変革するための抜本的な要素技術を対象としている。

 本年度の募集に対し、大学、様々な研究機関等から、量子コンピューティングを始め、分子コンピューティング、光コンピューティングの要素技術に関する研究、高性能大容量コンピュータシステムに関する研究など計17件の興味深い提案があった。これらの提案を7人の領域アドバイザと書類選考を行って、領域の主旨に沿った成果が期待できる提案の内、特に優れた研究提案10件を面接対象として選定し、それらに対し面接選考を行った。面接選考では、新規性と妥当性、トータルシステムへの展開イメージ、競合技術との関係、目指す到達点等を重点として検討を行い、その成果が学問的な貢献に止まらず、将来の情報社会や産業界へのインパクトが大きいと考えられる研究提案を選定した。

 選考の結果、量子コンピュータ、分子コンピュータ、超高速大容量ストレージ、及び超低電力メガスケールコンピューティングに関する計4件の提案を採択した。今後、これらの研究が推進され、情報社会へ大きな貢献が為されることを期待したい。なお、この他にも多くの興味ある提案があったが、採択できず残念であった。

 

This page updated on November 12, 2001

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