科学技術振興機構報 第81号
平成16年6月10日
埼玉県川口市本町4−1−8
独立行政法人 科学技術振興機構
電話(048)226-5606(総務部広報室)
URL http://www.jst.go.jp/

プレベンチャー事業で
世界に先駆け 「高分解フェムト秒パルス分光計測システム」 の技術開発に成功

− 「次世代指向の赤外パルス分光計測システム」 製造販売の大学発ベンチャー企業を設立 −

 独立行政法人 科学技術振興機構(理事長 沖村憲樹)では、平成11年度より大学等の研究成果をベンチャービジネスにつなげていくための起業化に向けた研究開発を行う研究成果最適移転事業 成果育成プログラムC(プレベンチャー)を実施してきました。

 この度、プレベンチャー事業において平成14年度より開始した研究開発課題「時系列変換パルス分光計測システム」の研究開発チーム(リーダー:西澤誠治 (前)信州大学 客員教授、サブリーダー:武田三男 (兼任)信州大学理学部 教授)は、フェムト秒パルスレーザー励起による次世代指向のパルス分光計測技術開発に成功し、世界に先駆けて、未開拓波長領域に初めて踏み込んだ革新的な高分解・高速測定の赤外パルス分光計測を実用化しました。この研究開発チームでは、その開発装置の製造・販売を事業目的にして、チームメンバーと協力支援者らの共同出資による大学発ベンチャー企業、株式会社 先端赤外(代表取締役:西澤誠治、本社:東京都八王子市、資本金3300万円)を平成16年5月20日に設立しました。

 本研究開発チームは、近年基礎研究開発が進むテラヘルツ時間領域分光法THz-TDS (Tera-Hertz Time-Domain Spectroscopy) の実用化技術開発を進め、従来技術的困難であった電波と光の境界領域にまで及ぶ広い測定波長帯域を有した高分解(波数分解:0.025 [1/cm])・高感度(最小検出感度:70 dB)・フェムト秒(1フェムト:1000兆分の1秒)パルス励起の時系列変換パルス分光計測の実用化に成功しました。本開発装置は、次世代基幹メモリなど誘電体電子デバイス生産工程における素子特性の品質管理を自動化し、更に量産工程へのオンライン化では生産素子の特性制御をも自動処理して生産ラインの高度化を達成するなど、その生産工程に顕著な生産性効果(工程短縮、歩留り改良、コスト低減など)をもたらします。

 また一方、分光分析分野への応用においては、基礎化学・分析化学・生化学・医化学分野に、従来未開拓波長領域における高分解・高感度・高速測定の赤外分光分析手段の汎用を黎明することになり、分子分光学を基盤にした基礎研究分野に新たな学術的展開をもたらします。本研究開発チームでは、既に固体物質の素励起、生化学物質(タンパク・血液・細胞水)など、これまでにない分光スペクトル測定が進められています。

 起業化初期の2−3年間では、主として基礎研究分野への販促によって年商5―7億円程度が見通され、またその後の本格的市場展開においては、年商80−120億円規模の成長が見込まれております。

 今回の先端赤外設立により、当事業によって創設したベンチャー企業数は19社となりました。

 なお、本件についての問い合わせは、企業化開発事業本部 技術展開部 新規事業創出室
(電話03−5214−0016)斎藤隆行(さいとう たかゆき)までご連絡下さい。
■ 企業概要 (要約)
■ 高分解フェムト秒パルス分光計測システム
■ 事業形態
■ 用語解説
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This page updated on June 10, 2004

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