■ 用語解説:

注1) 不揮発メモリ(FeRAM)素子:
不揮発メモリ素子:電源が遮断されても記憶内容が保持される電子記憶素子。IT機器などに汎用される記憶素子。フラッシュメモリなどがこれにあたる。
FeRAM:強誘電体を利用した不揮発ランダム・アクセスメモリ。フラッシュメモリの10倍以上に及ぶ高速での読み書きが可能となる。
注2) 弾性表面波フィルタ素子:結晶の表面を伝わる弾性振動の波(弾性表面波)を利用して、空間を飛び交う電波の中から必要な周波数の電波だけを選びだす周波数選択素子。この素子は、携帯電話など、一般に通信機器で多種の電波信号の中から特定周波数の信号だけをとり出す電子デバイス素子として汎用されている。
注3) 誘電体薄膜積層:誘電体とは静電場をかけても電子の流れ(電流)を生じない電気的絶縁体。誘電体薄膜積層は、IT産業における種々のデバイスに高機能を持たせるために薄い膜状の幾種類かの誘電体物質を積層したもの。
注4) 電子機能層:電気的に有効な機能を有する層。例えば、弾性表面波フィルタ素子の電子機能層は電場によってひずみを生ずる性質(圧電性)を有する結晶積層で構成されている。
注5) 誘電定数ε'(ω)誘電率の実数部。誘電率の実数部は誘電体の性質を特定する物理定数。分極のしやすさ(外部電場による電荷分布の変化のしやすさ)を表す物理量である。
注6) 誘電損失ε"(ω)誘電率の虚数部。誘電率の虚数部は誘電体に交流電場を加えたとき、電気エネルギーの一部が熱となって失われる損失量を表す物理量である。
注7) 波数分散:誘電定数ε'(ω)や誘電損失ε"(ω)などの物理定数が物質に加えた交流電場の振動数ωによって変化する現象、あるいはその変化量。
注8) 静的誘電定数ε(0):一様な電場内に物質を置いたときの分極のしやすさを表す物理定数であり、絶縁体としての性能を評価する基準量。
注9) キャリア密度N半導体ウエハに存在する自由電子(キャリア)の密度。
注10) 散乱寿命τ:半導体ウエハに存在する自由電子(キャリア)が励起されて動き始めてから不純物や格子欠陥に散乱されて消滅するまでの時間。
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This page updated on June 10, 2004

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