科学技術振興機構報 第145号

平成17年 1月26日

東京都千代田区四番町5−3
科学技術振興機構(JST)
電話(03)5214-8404(総務部広報室)
URL http://www.jst.go.jp

環境保護計画等への有効利用に全国レベルでの展開を期待

―生物多様性保護支援ならびに森林動態把握を目的としたデータベースの事後評価―

 JST(理事長 沖村 憲樹)では、「研究情報データベース化事業」において研究機関と共同開発し、現在インターネットで無料公開している2つのデータベースについて事後評価を行ない「良好」との評価を得ました。
 事後評価を実施したのは、野鳥を指標生物とし分布データを収録整備した「BirdBase −アジアの鳥類分布データベース−」と、日本各地の大形天然林試験地の天然林更新と樹木の生長データを蓄積した「森林動態データベース」です。これらのデータベースは、平成15年10月から各研究機関よりインターネットを通じて公開されているものです。
 動植物の分布情報は生物多様性を保全するための基本的なデータとして重要です。最近、鳥インフルエンザの流行があり、家禽の保護やヒトへの感染も危惧されるように、各種鳥類の消長は人類の衛生問題とも密接に関連しています。また、世界屈指の森林被覆率を誇る日本列島には、亜熱帯から亜寒帯までの様々な形態の森林が存在しています。世界的にはほとんどが乾燥地帯である北緯30度帯に位置する貴重な森林データも含まれます。これらのデータベースを整備することにより、専門分野の研究者のみならず環境保護や衛生、国際的な環境問題研究のためのモニタリングデータとしての活用が期待されます。

1.対象課題(開発期間 平成12年10月−平成15年9月)

 今回の事後評価は、平成15年10月から公開されている下記の平成12年度採択課題を対象として、3年の開発期間終了後、1年の公開運用実績を踏まえて行われたものです。

 (1)鳥類を指標生物としたアジア生物多様性保護支援データベース
   (公開名:BirdBase ―アジアの鳥類分布データベース―)
研 究 機 関 名北海道環境科学研究センター
開発・運用責任者佐竹 聖一 (自然環境部長)
U R Lhttp://birdbase.hokkaido-ies.go.jp/

 (2)森林動態データベース
  
研 究 機 関 名独立行政法人 森林総合研究所
開発・運用責任者新山 馨  (森林植生研究領域 群落動態研究室 室長)
U R Lhttp://fddb.ffpri-108.affrc.go.jp/

2.評価方法

 評価方法について定めた「研究情報データベース化事業の課題評価の方法等に関する達」(別添)にしたがって、JSTが選任した外部専門家によって組織される研究情報データベース化委員会の委員が、開発・運用責任者の自己評価及び委員へのプレゼンテーション、及び委員会での質疑応答などをもとに評価を行いました。

3.研究情報データベース化委員会委員

委員長
坂田 俊文 (財)地球科学技術総合推進機構 理事長
委員
安部 明廣 東京工芸大学大学院 工学研究科 ナノ科学研究センター 教授
岩田 修一 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 教授
太田 暉人 (社)日本化学会 常務理事・事務局長
津谷喜一郎 東京大学大学院 薬学系研究科医薬経済学 客員教授
根岸 正光 情報・システム研究機構 国立情報学研究所 教授、国際・研究協力部長
細矢 治夫 お茶の水女子大学 名誉教授
水島 洋 国立がんセンター研究所 疾病ゲノムセンター 室長
村松 正實 埼玉医科大学 ゲノム医学研究センター 所長
横田 正幸 (財)ヒューマンサイエンス振興財団 技術主幹

4.評価項目

 (1)当初計画の達成度
 (2)データベースの評価
 (3)データベース化終了後の公開運用体制及び運用状況
 (4)運用の今後の展開
 (5)総合評価

5.事後評価の実施日

 平成16年11月30日(火)

6.評価結果

 別紙1に記載。

7.参考資料

 研究情報データベース化事業の課題評価の方法等に関する達(別添)



 なお、本事業については、JSTの研究情報データベース化事業のホームページ(URL:http://dbs.jst.go.jp)をご参照下さい。このホームページからは上記データベースへもアクセスできます。

データベース検索例

図1.BirdBase検索例

 「ヤマゲラ」と「アオゲラ」の検索結果。ヤマゲラとアオゲラは容姿が非常に似ているが、ヤマゲラは日本では北海道だけに生息し、一方のアオゲラは本州にしか見られない。

図2.森林動態データベース検索例

 ブナ稚樹の分布図(小川試験地)。左から1988年、1989年、1990年。

別紙1 「鳥類を指標生物としたアジア生物多様性保護支援データベース」事後評価結果
別紙2 「森林動態データベース」事後評価結果
参考資料 研究情報データベース化事業の課題評価の方法等に関する達

<お問い合わせ先>

独立行政法人 科学技術振興機構
データベース開発部 研究情報データベース化部門 阿部篤史
TEL.03-5214-8497 FAX.03-5214-8470