ＪＳＴ（理事長 濵口 道成）は、国際科学技術共同研究推進事業（戦略的国際共同研究プログラム：ＳＩＣＯＲＰ）注１）「日本－中国共同研究」において、中国科学技術部（ＭＯＳＴ）注２）と共同で「都市における環境問題または都市におけるエネルギー問題に関する研究」分野に関する共同研究課題の募集および審査を行い、平成２８年度新規課題として以下の１０件を決定しました（別紙１）。
（１）「下水からの高効率エネルギー回収を可能にする膜を用いた革新的下水処理技術の開発」
日本側：木村 克輝 准教授（北海道大学 大学院工学研究科）中国側：シア・ホワン 教授（清華大学 環境学院）
（２）「下水汚泥と食品廃棄物の共同処理による高度資源回収プロセスのための基盤技術開発とパイロット実証」
日本側：宝田 恭之 教授（群馬大学 大学院理工学府）中国側：イン・ワン 教授（中国科学院 都市環境研究所）
（３）「上水の安全性を確保するためのハイスル-プット性毒性評価システムの構築」
日本側：中西 剛 准教授（岐阜薬科大学 薬学部）中国側：ジエンイン・フー 教授（北京大学）
（４）「先端発酵と精製技術を用いた生ごみの清潔処理によるバイオガス生成の実証研究」
日本側：李 玉友 教授（東北大学 工学研究科）中国側：ジュンフ・ジョウ 教授（浙江大学 エネルギー工学院）
（５）「有害物質分解システムに向けた高性能紫外線レーザーダイオードの研究」
日本側：天野 浩 教授（名古屋大学 未来材料・システム研究所 未来エレクトロニクス集積研究センター）中国側：ユウホワイ・リウ 教授（鄭州大学 産業技術研究所 情報工学科電子情報工学専攻）
（６）「非カーボン金属酸化物担体－二元金属ナノクラスター相互作用を利用した新しい燃料電池複合触媒」
日本側：石原 顕光 特任教員（教授）（横浜国立大学 先端科学高等研究院）中国側：ユアン・ワン 教授（北京大学 化学・分子工程学院）
（７）「大型バス用燃料電池の水管理と低温起動性に関する研究」
日本側：近久 武美 教授（北海道大学 大学院工学研究院）中国側：ジエンボー・ジャン 教授（清華大学）
（８）「スポンジシティ建設に向けた再生マテリアルを含むコンクリートの多様な利用技術の開発とその実践」
日本側：野口 貴文 教授（東京大学 大学院工学系研究科）中国側：ジエンジュアン・シャオ 教授（同済大学 土木工程学院／建築工程系）
（９）「水素エネルギーを活用した都市における再生可能エネルギーの電力および熱としての有効利用」
日本側：秋葉 悦男 教授（九州大学 大学院工学研究院）中国側：ピン・チェン 教授（中国科学院 大連化学物理研究所）
（１０）「集光型太陽光システムとその排熱利用潜顕熱分離空調の研究開発」
日本側：党 超鋲 准教授（東京大学 大学院新領域創成科学研究科）中国側：ユヤン・ジャン 研究員（中国科学院 工程熱物理研究所）
今回の共同研究課題の募集には７９件の応募があり、これら応募課題について日本および中国の専門家が評価を行いました（別紙２）。その結果をもとにＪＳＴとＭＯＳＴが慎重に審査・協議を行い、研究アプローチや独創性、チームの相乗効果や研究成果が与える影響などさまざまな観点から、両国がともに支援すべきと合意した１０件を支援課題として決定しました。
研究期間は支援開始から３年間を予定しています。
