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科学技術振興機構報 第1096号

平成27年3月31日

東京都千代田区四番町5番地3
科学技術振興機構(JST)

ベルモント・フォーラム2014年CRA(国際共同研究)
「持続可能性のための北極観測と研究」における新規採択課題の決定について

JST(理事長 中村 道治)は、ベルモント・フォーラム注1)2014年CRA(国際共同研究)注2)において、「持続可能性のための北極観測と研究(Arctic Observing and Research for Sustainability)」分野で募集を行い下記のとおり2課題を支援することを決定しました。支援決定課題は次のとおりです。

(1) 「気候変動下における北極海洋システムの回復力と適応力(RACArctic)」

(コンソーシアム研究代表者)北海道大学 大学院水産科学研究院 齊藤 誠一 教授
(米国代表)アラスカ大学 フランツ・ミューター 准教授
(ノルウェー代表)国立海洋研究所 ケネス・ドリンクウォーター 主任研究員

本プロジェクトは、環北極海域(北極海および隣接する周辺の亜寒帯海域)における共通点や差異を整理しながら太平洋-北極海-大西洋における環境変化と海洋生態系の応答について統合的に理解することを目指すものです。

(2) 「東部ロシア北極域永久凍土上の生態系と都市と村落の炭素収支(COPERA)」

(コンソーシアム研究代表者)北海道大学 大学院地球環境科学研究院 杉本 敦子 教授
(ロシア代表)北東連邦大学 ミハエル・プリシャズニー 副学長/准教授
(米国代表)アラスカ大学フェアバンクス校 水理環境研究センター ヨシカワ・ケンジ 教授

本プロジェクトは、東部ロシア北極域の永久凍土帯において、自然生態系の炭素吸収量と都市と村落の炭素放出量を見積もり、気象・人口・経済状況とあわせて解析し、地方行政・住民が選択すべき解決策を考えるための基礎的データを提示する道筋をつけることを目指すものです。

今回の募集では46件の応募があり、これらの応募課題を日本側含む公募参加国の各国専門家により評価しました。その結果をもとに各国支援機関が協議を行い、研究内容の優位性や交流計画の有効性などの観点から、支援すべき課題を決定しました。採択課題は平成27年4月より支援開始予定です。研究期間は3~5年間、研究費総額約6,300万円を予定しています。

注1) ベルモント・フォーラム(Belmont Forum)
ベルモント・フォーラム(2009年設立)とは、地球の環境変動研究を行う世界の主要先進国・新興国のファンディングエージェンシー(研究支援機関)および国際的な科学評議会の集まりです。国際的な資金・研究者を動員し、連携することにより、人類社会の持続可能性を阻む重大な障害を取り除くために必要とする環境関連の研究を加速、深化させることを目的としています。
注2) CRA(国際共同研究活動)
ベルモント・フォーラムではさまざまな分野において同時並行的に共同研究活動(Collaborative Research Action:CRA)を設定しています。多国間(3ヵ国以上)の共同提案を募り、合同で選考を行い、採択した課題についてそれぞれの国の分担研究をその国のファンディングエージェンシーが資金支援します。

<添付資料>

別紙:ベルモント・フォーラム2014年CRA(国際共同研究)「持続可能性のための北極観測と研究」新規課題 一覧

参考:ベルモント・フォーラム2014年CRA(国際共同研究)「持続可能性のための北極観測と研究」新規課題の採択に関して

<お問い合わせ先>

科学技術振興機構 国際科学技術部
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
中島 英夫(ナカジマ ヒデオ)、マーティン ガッズデン、柿内 久弥(カキウチ ヒサヤ)
Tel:03-5214-7375 Fax:03-5214-7379
E-mail:

(英文)JST to fund new Belmont Forum projects in the 2014 Collaborative Research Action “Arctic Observing and Research for Sustainability”