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晶析プロセスの高効率化:回分式を連続式に転換する振動流バッフル反応器

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研究開発概要

大型撹拌槽が用いられる回分式プロセスを、連続式プロセスに転換する振動流バッフル反応器を開発しました。
晶析プロセスや高粘性流体プロセスに対して有効な管型反応器です。非定常渦流動(カオス混合)を利用して、径方向の迅速混合と軸方向の混合抑制を両立することができます(高い押し出し流れ性能)。

【本反応器の特長】
① コンパクトな押し出し流れ反応器。  ② 長い滞留時間での操作が可能(反応時間が長い系に適用)。
③ 半径方向に均一な混合が可能(カオス混合)。 ④ 非定常渦流動によって効果的な物質移動と熱移動を達成。 
⑤ 混合メカニズムが実験室と工業スケールで変化しないため、スケールアップが不要。
⑥ その他、多種多様な系の連続プロセス化が可能。

今後の展開

晶析プロセスを連続化する際、MSMPR(Mixed-suspension, mixed-product-removal)という1槽の大型撹拌槽が用いられます。しかし、反応流体および結晶粒子の反応器内滞留時間に分布が生じ、製品結晶径がばらつくという問題があります。

一方、本技術のCOBR(Continuous Oscillatory Baffled Reactor)においては、高い径方向への混合能力と軸方向混合抑制を両立するため、小さな撹拌槽を多数連結したような滞留時間分布となり、段階的に結晶成長を起こすことができ、結晶成長の促進効果が見込めます。

医薬品、食品、環境(有機物回収)等への適用が考えられ、既に小スケールのプロセスでは、実用レベルの新規反応器となっています。

制度利用者の声

本制度を利用したことで、固液系の連続式反応器の技術課題を解決し、企業ニーズに適合するものに発展させることができました。ニーズ企業との連携を密にできたことから、この基盤技術のさらなる改良を目指した共同研究の本格化に繋がっています。また、JSTフェアに展示したことで多くの企業の目に触れることとなり、当初予定していたプロセスとは異なる応用先への展開が期待できています。

研究開発機関情報

機関名:国立大学法人神戸大学

部署名:工学研究科 移動現象工学グループ

研究責任者:助教 堀江 孝史

支援プログラム

事業名:マッチングプランナープログラム企業ニーズ解決試験

研究課題名:フッ素含有廃水再資源化のための晶析プロセス強化

支援期間:平成28年6月~平成29年3月


事業名:熊本復興支援(地域産学バリュープログラムタイプ)

研究課題名:地域産業に貢献する廃酸処理設備のパラダイムシフト

支援期間:平成29年10月~平成30年3月

研究開発に関するお問い合わせ

国立大学法人神戸大学 学術・産業イノベーション創造本部 産学連携・知財部門

〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1-1

TEL: 078-803-5945  E-mail: hicd-ccrd2(at)office.kobe-u.ac.jp

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