[情報担体] 2020年度採択課題

荒井 慧悟

ダイヤモンド中の電子スピンを用いたマルチモダル量子センサの開発

研究者
荒井 慧悟

東京工業大学
工学院電気電子系
准教授

研究概要

Physical空間のセンシングは、Society5.0の実現に向けたCyber-Physical-Spaceの一翼を担う。その鍵を握る技術のひとつは、センサのマルチモダル(多機能)化だ。本研究では、ダイヤモンド中の窒素・空孔欠陥「NVセンター」を磁場・温度・圧力・回転(ジャイロ)センサとして用い、極低温~1,200℃、極低圧~60GPaといった幅広い環境で機能するシステムの開発を目指す。

安藤 裕一郎

シリコン中の電子スピンを用いた論理演算素子の創成

研究者
安藤 裕一郎

大阪公立大学
大学院工学研究科
教授

研究概要

本研究ではシリコン中の電子スピンの生成・制御・検出技術を高度化し,スピンの向きや総数を情報担体とするデバイスを創成する.スピン操作についてはスピン偏極ベクトルや総数を電界,磁界,不純物,スピン軌道相互作用等で制御する技術を確立する.更に,スピン情報を磁化に書き込み,増幅する技術等の確立にも取り組む.最終的にはスピン固有の新奇な演算手法を開発し,スピン論理演算素子を創成する.

清水 荘雄

ウルツ鉱型極性材料による強誘電トンネル接合素子の創製と物性解明

研究者
清水 荘雄

物質・材料研究機構
機能性材料研究拠点
独立研究者

研究概要

ウルツ鉱型強誘電体材料の持つ、巨大な自発分極、大きな抗電界、異方性結晶構造という特徴を生かして、小さな膜厚でも分極を保持しつつ、大きな抵抗オンオフ比を持つ強誘電体トンネル接合素子の実現をエピタキシャル薄膜成長を行うことによって目指す。さらに、分極反転メカニズムの解明や新物質探索を通して、信頼性の向上や物性の制御、さらに集積化に対する可能性を検証する。

高木 里奈

磁気メモリの革新に向けたスキルミオン物質の開発と機能開拓

研究者
高木 里奈

東京大学
物性研究所
准教授

研究概要

磁気スキルミオンと呼ばれる粒子性を持つ渦状の磁気構造体は、大容量・省電力な磁気メモリを実現する情報担体の候補として注目されています。本研究では、ナノスケールのスキルミオンを生じる新物質開発を行い、スキルミオンの高密度化を実現するための新しい物質設計指針の確立を目指します。さらに、高密度なスキルミオンに由来する電磁気応答現象の観測を行い、磁気メモリ等への応用に向けた機能の開拓に挑戦します。

田中 貴久

大規模集積化ガスセンサの創出による多成分ガスの時系列分析

研究者
田中 貴久

慶應義塾大学
理工学部
専任講師

研究概要

多成分ガスである呼気を用いた健康管理のため、ガス濃度と集積回路内電荷の2情報担体間の変換を行う大規模集積化ガスセンサを開発し、従来型ガスセンサで実現できなかった小型高機能診断プラットフォームを創出します。具体的には、イオンゲルを基幹材料としてジュール局所加熱によるセンサの多機能化を組み合わせ、従来型ガスセンサを超える集積度を実現します。

廣谷 潤

電子・正孔を情報担体とするフレキシブルサーマルデバイスの創製

研究者
廣谷 潤

京都大学
大学院工学研究科
准教授

研究概要

本研究では、高キャリア濃度中の電子や正孔を情報担体と定義して、そのキャリア濃度をアクティブに制御する革新的アイデアに基づき、熱を自在に制御するデバイスの創製にチャレンジします。さらに制御する熱流束を厳密に測定する手法として、高温で安定なP/N型ドーピングされた原子層材料を用いた超極薄のフレキシブルな熱流束センサの創出にも挑戦します。

松久 直司

伸縮性導体・半導体による超柔軟ダイオード

研究者
松久 直司

東京大学
生産技術研究所
准教授

研究概要

半導体デバイスの要求を満たす伸縮性電子材料と、伸縮性基材特有の熱や溶剤による変形の影響を受けないプロセスを開発し、高性能な伸縮性半導体デバイスを作製・その物理探索を進める。この知見を活かして非伸縮性のデバイスと比較しても遜色ない伸縮性センサマトリクスや太陽電池、光イメージャなどを実現する。さらにウェアラブルデバイスやソフトロボットへの応用を進めていく。

三宅 丈雄

電子・イオン制御型バイオイオントロニクス

研究者
三宅 丈雄

早稲田大学
大学院情報生産システム研究科
教授

研究概要

本研究で提案する新デバイスは、従来デバイスが実現できなかった物質の輸送(開放系)、電子とイオンのキャリア制御(双方向情報伝達機構)、生化学エネルギーから電気を創る自己発電(外部電源不要)などの新機能を実現し、ひいては、生体機能をイオン信号で制御する新しい原理のバイオデバイスである。その成果は、生体からの情報取得、あるいは、生体への情報伝達を高度化させる新技術として、広範な波及効果が期待される。

森山 貴広

反強磁性薄膜を用いたスピン超流動デバイスの創出

研究者
森山 貴広

名古屋大学
大学院工学研究科
教授

研究概要

一般的に超流動とは、液体ヘリウム超流動や超伝導に代表される無散逸の流体現象です。一方、秩序変数空間において2次元的なトポロジーを有する磁性体においては、超低散逸なスピン角運動量の流体現象である”スピン超流動”が予言されています。本研究では、反強磁性薄膜を利用し磁気異方性トポロジーを考慮した材料設計によってスピン超流動を実現し、超低消費エネルギーのスピン輸送デバイスを創出することを目指します。

山田 道洋

革新的スピン注入技術を用いた縦型半導体スピン素子の創成

研究者
山田 道洋

大阪大学
大学院基礎工学研究科
特任准教授

研究概要

本研究では,原子層制御した強磁性体/半導体界面を有する縦型半導体スピン素子構造を実現することで,室温動作高性能スピン素子の創成を目指します.半導体スピン素子の飛躍的性能向上に向けて,原子レベルで急峻な強磁性体/半導体エピタキシャル界面を実現すると共に,縦型スピン素子中の半導体中間層への原子層ドーピング技術の確立に取り組みます.これにより三次元集積可能な超低消費電力素子の社会実装への道を開拓します.

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