[人とインタラクション] 平成30年度採択課題

青山 忠義

人とマイクロ世界のインタラクション技術の開発

研究者
青山 忠義

名古屋大学
大学院工学研究科
准教授

研究概要

本研究のねらいは、体内でタスクを行うマイクロロボットの遠隔操作に向けた「人とマイクロ世界のインタラクション技術の開発」です。マイクロスケールでのマニピュレーションにおける操作者への情報提示に関する問題に対して、顕微鏡下で4000万画素画像の実時間撮影を行う視野拡張型顕微鏡撮影システムを整備し、視野拡張型顕微鏡による画像情報のみからマイクロ世界の視覚・力覚・音声情報を人へ提示するインタフェースを開発します。本研究開発を通して、マイクロロボットの遠隔操作に繋がるマイクロ世界の情報を人に提示する技術を創出することを目的とする。

太田 裕貴

双方向ソフトデバイスによる機械システム制御を用いた柔軟アクチュエーションシステムの開発

研究者
太田 裕貴

横浜国立大学
大学院理工学府
テニュア准教授

研究概要

ソフトマテリアルからなる柔軟・伸縮可能センサとアクチュエータを用いて、入出力をソフトデバイスで制御するアクチュエーションシステムを開発する。同時に制御工学+形態変化を加味した計算手法という新しい機械制御工学を目指す。本研究の機械システム制御は、ソフトマテリアルの集合体である人体の動きの原理・機構の解明に資する。また、ヒトと機械との柔らかいインタラクションを通し、達成目標の一つとして挙げられている「インタラクションを理解するための、原理・機構の解明とそれに資する情報の収集・分析に関する技術開発」に貢献する。

小泉 愛

精神疾患患者と実世界環境のインタラクションを円滑化するメンタル・バリアフリー支援技術開発

研究者
小泉 愛

(株)ソニーコンピュータサイエンス研究所
アソシエートリサーチャー

研究概要

本研究の目的は、精神疾患患者の病理脳を補うように環境情報をアクティブに整形するフ ィルタリング技術を開発し、患者の個性を守りながら症状を軽減させ、患者と実世界環境のインタラクションの円滑化を支援することである。PTSDと統合失調症を対象に、①脳科学的研究を通して各疾患における脳機能の病態を明らかにし、②明らかにした病態に応じて環境情報を整形し、症状を緩和するメン タル・バリアフリー技術を開発する。

小山 翔一

分散配置アレイによる音空間の記録・再生技術基盤の構築

研究者
小山 翔一

東京大学
大学院情報理工学系研究科
講師

研究概要

広い領域の音空間を忠実に記録・再生することは、聴覚におけるバーチャルリアリティを実現する上での究極的な目標である。音場収音・再現技術は、多数のマイクロフォン・スピーカを用いた音場の再構成を目的とし、従来は音場の境界値積分表現のような物理方程式に基づく手法が提案されてきた。このような従来技術では、マイクロフォン・スピーカ素子を単純なアレイ形状で配置する必要がある上、高い周波数帯域までの再現精度を保つためには多くの素子数を必要とする。本研究では、アレイ素子を任意の位置に配置可能な音場収音・再現技術について検討を行う。このような技術が実現されれば、システムの大規模化・高コスト化を避け、より柔軟なシステム構成を用いて広い範囲のアプリケーションに適用可能になると期待できる。

高木 敦士

剛性フィードバックでの運動のトランスファーと向上(Sensory feedback of impedance for motor skill transfer, improvement and augmentation)

研究者
高木 敦士

日本電信電話(株)
コミュニケーション科学基礎研究所
特別研究員

研究概要

腕の剛性は外部の力からの影響を阻止する筋肉の仕組みであって、力が必要な課題(e.g.木彫り)には不可欠な要素である。動作と違って剛性は見えないがため、自分がどう力んでいるかは把握しにくい。相手に正しい剛性を教えるのも困難である。本研究では、剛性フィードバックとそれを応用したインターフェースを開発し、運動の向上やトランスファーを目指す。

武見 充晃

記憶を増強する脳状態操作技術の確立

研究者
武見 充晃

慶応義塾大学
理工学部
特任講師

研究概要

本研究の目標は、ヒトの記憶を増強できる、非侵襲的な脳状態操作技術の確立です。記憶は、形成された脳状態と近いほど想起しやすいことが示唆されているため、操作的に作り出した多様な脳状態下での課題学習は、身につけた技能・知識の安定的・持続的な発揮を可能にすると考えられます。同じ量の練習をしたとしても、効率的に新しい技能・知識が身につく、「スマート学習」の実現に資する基盤技術を創出します。

野田 聡人

身体表面分散型エレクトロニクス

研究者
野田 聡人

南山大学
理工学部
准教授

研究概要

センサやアクチュエータなどを多数衣服に埋め込むウェアラブルシステムの構築のために、無配線でこれらの素子を簡単にネットワーク化して外部環境のネットワークや周辺機器と相互に連携するための基盤技術を開発する。人と環境のインタラクションにおいて、人の状態の計測および人の全身の触覚を含む感覚器官へのフィードバックのための標準的ハードウェアを確立し、インタラクション研究の生産性を向上することを狙う。

森勢 将雅

Human-in-the-loop型歌唱デザインの開発

研究者
森勢 将雅

明治大学
総合数理学部
准教授

研究概要

利用者の生産性を高め、低ストレスでエラボレーションを作り込める歌唱デザイン法を確立します。現状の歌唱デザインでは、イメージする歌声のデザインに伴い不自然さを解消する煩雑な微調整が必要です。本研究では、歌の自然さを計測する知覚モデルを構築し、利用者のデザイン結果が常に自然に保たれるよう自動調整する機能を組み込んだ知的ユーザインタフェースにより、歌唱デザインを支援する基盤を構築します。

門内 靖明

透過型触刺激法の確立と認識行動支援への応用

研究者
門内 靖明

東京大学
先端科学技術研究センター
准教授

研究概要

人と物とが接近・接触する際の認識や行動を支援するための透過型触刺激法を実現します。具体的には、木、布、プラスチックといった身の回りの非金属媒質越しに電磁的に触刺激を提示する方法を確立し、その表面に近づいたり触れたりする際の触感を上書きします。生体に対する安全性の検証を重ねながら、手触りのカスタマイズ、ロボットの接近感や存在感の提示、演奏やスポーツ動作の身体的チュートリアルなどの応用を目指します。

吉田 成朗

Computational Perception Design:データ駆動手法による知覚体験設計

研究者
吉田 成朗

東京大学
先端科学技術研究センター
特任講師

研究概要

本研究の目的は、機械学習のようなデータ駆動型の情報処理手法を用いて、人間の知覚現象と感覚刺激の対応関係を計算機で扱える形にモデル化することで、目的とする知覚現象をインタフェース上で表現可能にする方法論を確立することである。こうした方法論が明らかになることで、人間の心や行動の理解を学問の中心に据えてきた心理学がインタフェース設計に効果的に適用されるようになるとともに、心理学における実験手続きの手法を修めていないデザイナーやエンジニアであっても、錯覚現象や多感覚統合などを含む人間の知覚特性を考慮・活用したインタフェースの構築が可能になる。

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