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革新的次世代デバイスを目指す材料とプロセス
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2009年度採択

スピン量子十字素子を用いた新規な高性能不揮発性メモリの創製

写真 海住 英生
(北海道大学電子科学研究所 助教)
高度情報化社会の発展に伴い、メモリデバイスの更なる高集積化・低消費電力化が要求されています。この要求を満たすためには、従来にない革新的なデバイスの創製が必要となります。本研究では、強磁性薄膜のエッジとエッジの間に有機分子を挟んだ強磁性体/有機分子/強磁性体スピン量子十字素子を提案し、これにより全く新しい動作原理で駆動する高抵抗変化率、低電流密度を兼ね備えた新規不揮発性メモリデバイスの創製を目指します。

ナノキャパシタ構造を用いた低環境負荷メモリの開発

写真 組頭 広志
(高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 放射光科学研究施設 教授)
不動態を形成する金属と酸化物との界面酸化還元反応により自然形成されるナノキャパシタ構造を利用して、高性能と低環境負荷が両立した抵抗変化型不揮発性メモリ(ReRAM)の実現を目指します。そのために、本研究では酸化物エピタキシー技術と放射光による界面解析技術を駆使して、高クラーク数元素のみで構成されるナノキャパシタ構造ReRAMの特性制御法・作製プロセス法を確立し、環境負荷の低い不揮発性メモリに向けた開発を行います。

フォトニック結晶ナノ共振器シリコンラマンレーザーの開発

写真 高橋 和
(大阪府立大学21世紀科学研究機構 講師)
究極的な微小サイズと世界一のQ 値を持つフォトニック結晶ナノ共振器を用いて既存技術の常識を覆す極微小・超省電力Siラマンレーザ素子を実現します。このデバイスは省電力・メタルフリーといった環境ニーズに加え、高密度集積・光通信帯動作・既存LSI技術との整合性といった利点を持っています。そのため次世代高速コンピューターや光通信に必要とされるLSIチップ光配線や全光ネットワーク技術のキーデバイスになると期待されます。

Si/III-V族半導体超ヘテロ界面の機能化と低電力スイッチ素子の開発

写真 冨岡 克広
(さきがけ専任研究者)
従来のMOSFETの原理で超えることができない理論限界の壁を、新しい動作原理のスイッチ素子で乗り越えます。具体的には、シリコンとIII-V族化合物半導体をナノスケールの結晶成長技術で接合し、欠陥のない理想的な接合界面(超ヘテロ界面)を作製します。そして、その界面で生じるバンド不連続性を利用し、低電力で駆動するスイッチ素子の開発を行います。

分子配列制御による有機トランジスタの高性能化

写真 中野 幸司
(東京農工大学 講師)
有機電界効果トランジスタは、次世代有機エレクトロニクスにおけるスイッチング素子として必要不可欠です。本研究では、電荷輸送を担うユニットとしてヘテロアセンに着目し、それらを高秩序に配列させることで電荷移動度を飛躍的に向上させます。具体的には、有機化合物の特徴を最大限に活かした溶液プロセスによる素子作成に適用可能な分子へと進化させ、実用的次世代有機トランジスタ用半導体材料を開発することを目指します。

誘電体トランジスタを用いたスピン操作

写真 中村 浩之
(大阪大学大学院基礎工学研究科 助教)
誘電体中の電子スピンの方向を電気的に操作する手法を構築します。誘電体としては「スピン・軌道相互作用」という性質が非常に大きい「5d遷移金属元素」を含む材料を使い、シリコンなど通常の半導体では実現できないスピン機能を得ることを狙いとします。大きな目標として、誘電体中を流れる電子スピンの方向をゲート電界により数10nmで回転できる「ナノチャネル・スピントランジスタ」という、次世代型の論理回路の実現を目指します。

有機・無機半導体ヘテロ構造を用いた新規デバイスの開発

写真 西永 慈郎
(早稲田大学高等研究所 准教授)
フラーレンにIII−V族化合物半導体で培われた結晶成長・評価法を応用し、有機・無機半導体へテロ界面の構造制御を行い、電子デバイスへの応用展開を行います。具体的には有機半導体結晶成長の動的観察法を発展させ、結晶粒界のない高移動度有機薄膜を製作します。また、C60・多価金属複合体による大気中で安定動作する太陽電池と、C60分子を添加したGaAs結晶による省電力高速トランジスタや高密度メモリの開発を行います。

光制御型有機単一電子デバイスの開発

写真 野口 裕
(千葉大学先進科学センター 助教)
本研究では、省エネルギー性と高機能性を併せ持つ「光制御型有機単一電子デバイス」を新たに提案し、その機能を実証します。デバイスは有機分子により光機能性を付与されたナノスケール金微粒子と超微細電極(ナノギャップ電極)から成り、アナログ・デジタル変換器や多機能論理回路素子に応用できます。有機分子の高度な光機能性を利用し、複雑な情報処理機能を一素子に集約させた次世代デバイスの構築を目指します。

各種ナノカーボン構造体の自在実装

写真 野田 優
(東京大学大学院工学系研究科・化学システム工学専攻 准教授)
カーボンナノチューブ(CNT)およびグラフェンは、優れた電荷移動度と電流耐性から半導体集積回路の次世代材料として期待されますが、その実用化には製造/実装プロセスの階層的な開発が鍵となっています。本研究では、独自のコンビナトリアル手法を援用した分子構造・自己組織化形態制御により、二層グラフェン半導体層、多層CNT縦配線、多層グラフェン横配線等、多様なナノカーボン構造体を自在に実装する技術基盤を構築します。

III族酸化物/窒化物半導体複合構造の界面制御とデバイス応用

写真 東脇 正高
(情報通信研究機構未来ICT研究所 総括主任研究員)
近い将来、窒化ガリウム(GaN)はシリコンと並び半導体電子デバイス材料の中核を担うと予想されます。今後GaNトランジスタを新たな応用分野に利用拡大していくためには、高品質な絶縁膜が必須であります。本研究ではV族酸化物をその有力候補として着目し、超高真空中での連続製膜により外的な要因を排除した理想的な酸化物/窒化物複合構造を作製し、系統的な解析により、GaNトランジスタの性能向上ならびに新展開を目指します。

グラフェン量子ドットを用いた新機能素子の実現

写真 町田 友樹
(東京大学生産技術研究所 准教授)
グラフェン(単層グラファイト)はディラックフェルミオンと呼ばれる相対論的粒子が電気伝導を担い、極めて特異な物性を示します。本研究提案では、既存の材料系では不可能な新機能素子の実現を目指します。具体的には、①室温において単一電子トランジスタとして動作するグラフェン量子ドット素子の作製、②グラフェンを利用した超高感度THz電磁波検出の実現、③グラフェン量子ドットにおけるスピン伝導制御の実現を目指します。

電子相関を利用した新原理有機デバイスの開発

写真 山本 浩史
(分子科学研究所 教授)
有機デバイスは近年フレキシブルエレクトロニクス材料として注目を集めていますが、その動作速度や安定性についてはまだ改良の必要があります。そこで、本研究では化合物型有機半導体、その中でも電子間のクーロン反発のために通常の半導体や金属では起きないような現象が見られる強相関物質に特に注目し、強相関物質ならではの特性を生かした高性能トランジスタ・有機太陽電池の開発を目指します。



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