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革新的次世代デバイスを目指す材料とプロセス
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1期生 2期生 3期生

2007年度採択

確率共鳴を利用した新しい情報処理のためのナノデバイスと集積化

写真 葛西 誠也
(北海道大学 大学院情報科学研究科 情報エレクトロニクス専攻 集積システム講座 集積電子デバイス学研究室 准教授)
雑音などのゆらぎにより機能を向上させる「確率共鳴」を電子的に利用するための新しいナノデバイスと集積化技術を創出します。この現象は自然や生体において重要な役割を果たしており、情報エレクトロニクスに新しい展開をもたらす可能性を有します。本研究では、半導体ナノワイヤネットワークを電気的に制御する技術を駆使し、半導体チップ上に現象を発現させ、これを情報エレクトロニクスに有用なハードウェアへと発展させます。

誘電体スピントロニクス材料開拓とスピン光機能

写真 齊藤 英治
(東北大学 金属材料研究所 教授)
CMOS技術では実現困難なデバイス機能創出の原理として、スピン自由度とスピン流を利用する「スピントロニクス」があります。スピントロニクス機能を最大限引き出すため、ナノ構造誘電体中のスピン波スピン流を利用します。スピン流と電場・光とが強く結びついた誘電体スピントロニクス材料を開拓し、エネルギー損失が極端に小さくコヒーレントな電場・光制御が可能なスピン流情報輸送処理デバイス構造の開発へ結実させます。

分子を介したスピン流の制御

写真 白石 誠司
(大阪大学大学院 基礎工学研究科 教授)
分子への確実なスピン注入、分子を介したスピン流制御という斬新な切り口で、大きな可能性を秘めた「分子スピントロニクス」という研究領域を確立し、世界的に先導してゆくことを目指します。分子内部に注入されたスピンはそのスピン情報を散逸しにくいと言われていますが、この特性を利用した全く新しいタイプの論理素子・量子素子の創出が目標です。目標達成の為のキーとなるユニークな発想が、分子の中を流れるスピン流そのものを創出し制御する、というものです。

スピントロニクスデバイス用室温ハーフメタルの探索

写真 高橋 有紀子
(物質・材料研究機構 磁性材料センター 磁性材料グループ 主幹研究員)
微細化の限界を目前にした半導体デバイスに将来替わると期待されているスピントロニクスデバイス実現のためには、室温で電子のスピン偏極率が100%の強磁性ハーフメタルが必要とされています。本研究では、点接触アンドレーエフ反射法によるスピン偏極率の直接測定により室温ハーフメタルを探索し、それにより磁気抵抗素子や半導体・磁性デバイスの実現に貢献することを目指します。

スピン偏極の外的制御とチューナブルスピン源の創製

写真 谷山 智康
(東京工業大学 応用セラミックス研究所セラミックス機能部門 准教授)
スピン注入技術はスピントロニクスの根幹をなす最も重要な要素技術の一つです。今後、広範に利用可能な真に新しいスピンデバイスを実現するためには、スピン偏極度を外的に操作できるスピン源の開発が本質的に重要と考えます。本研究では、外的制御可能なチューナブルスピン注入源の開発を目指し、その基本原理の検証と物理的メカニズムの解明、さらには革新的スピンデバイスのためのビジョンの提案までを狙っています。

フェムト秒パルス・レーザによる超高速スピン制御・計測

写真 塚本 新
(日本大学 理工学部 講師)
現在電子のスピン情報を利用したスピントロニクスデバイスの研究が活発に行われ、高集積化のみならず、高速化が極めて重要な課題となっています。本研究では、我々が世界に先行し実証実験に成功・研究を進めている、「光とスピンの直接相互作用」、「フェリ磁性体における光/熱アシスト・スピン動特性制御」を軸とし、これら新原理に基づく超高速スピン制御法の原理確立を図ります。

縦型立体構造デバイス実現に向けた半導体ナノワイヤの開発

写真 深田 直樹
(物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 (MANA)半導体ナノ構造物質グループ グループリーダー)
現行のMOSFETの性能限界を解決するためには、新たなチャネル構造を有する新構造トランジスタの開発が必要です。本研究では、次世代型の超低消費電力MOSFETとして注目されている縦型立体構造を有するサラウンディングゲートトランジスタの実現に向けて、その伝導チャネルとなる1次元構造の半導体ナノワイヤに着目した新規デバイスの開発を目指します。

デバイス応用に向けたスピン流と熱流の結合理論

写真 村上 修一
(東京工業大学 大学院理工学研究科 物性物理学専攻 教授)
スピン流は電流と違い特異な性質があり注目されておりますが、スピン流の物理は熱流の物理とは別々に論じられてきました。しかしこれらの間には隠れた関係が示唆されるため、これら2つの物理を統合することで、熱電変換材料、スピントロニクス双方の分野での物性理解を深め、新規な物性を開拓します。新原理に基づく熱電変換材料・デバイスの探索と性能の向上、またスピントロニクスデバイスにおける熱散逸の評価とその最適化への道を探ります。

π共役高分子鎖内の超高速電荷輸送を利用した有機トランジスタ

写真 安田 剛
((独)物質・材料研究機構 材料ラボ 融合領域研究グループ 主任研究員)
π共役高分子は延伸、紡糸などの加工技術を用いることにより、配向薄膜、超高配向ファイバーなど様々な形態や高次構造を持った材料が作製可能であり、その優位性を再構築することで現在の有機電界効果トランジスタ(有機FET)の主流材料である低分子有機半導体を遥かに超える可能性があります。本研究では、配向π共役高分子集合体の主鎖分子内高速キャリア移動を利用した高性能有機FETを実現することを目標とします。

ナノ磁性体集結群の新奇な磁気特性の究明

写真 山口 明啓
( 兵庫県立大学 高度産業科学技術研究所 准教授)
ナノ磁性体を数個から数百万個ほど集結させた系を用いて、屈折率等の電磁気的物質パラメータを人工的に制御できる新物質を創造します。微小磁性体集結群では、単一磁性体の形状や集結形態等トポロジカルな物質設計により、100GHz以下の周波数領域で磁性体のスピン応答を積極的に利用した巨大応答素子・光学素子の創造等が期待されます。既存回路・素子との融合・共生が簡単にできるので、従来型回路を単純化することが期待できます。

計算科学手法によるナノカーボン素子の設計と物性予測

写真 若林 克法
(物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 (MANA) 独立研究者)
最近ナノグラフェンの電子物性における、特異なナノスケール効果と端の幾何学効果が明らかになってきています。さらに、ナノグラフェンの電子物性を積極的に利用した電子デバイスの作製が本格化しており、世界中から大きな注目を集めています。本研究では, ナノカーボン材料における電子物性を計算科学の手法によって解明し、新しい量子物理現象に基づく、 新機能ナノカーボン電子・スピンデバイスの設計と物性予測を行ないます。



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