空気質は空間に漂う化学物質の集合であり、危険・有害性など空間の状態を反映しています。有害化学物質やテロに使われる爆発物の存在を知るには、これらを含む空間ガス、すなわち空気質を検知する必要があります。また、体の状態を非侵襲、簡便に知るには、呼気などの空気質を検知することが重要となります。昆虫や動物は嗅覚により空気質を高感度に検知し、危険・有害性を把握しています。本プロジェクトでは、空間ガスや生体ガスの空気質を検知することができる人工嗅覚システムの開発を目指します。
濃縮システムの採用
空気質の成分は超希薄(ppb~pptレベル)です。これに対応するため、センサ自体の高感度化に加え、システムに濃縮機構を備え希薄成分も逃さずセンサで捉えるようにします。濃縮はシステムの小型化、省電力化にメリットがあることからナノワイヤへのガス分子の吸着・脱離を原理とした機構を採ります。
空気質の状態を可視化
検出部は多数のセンサをアレイ化し、得られた出力パターンを機械学習アルゴリズムによってパターン認識することにより空気質の状態を可視化します。