JSTは、日欧間におけるトップレベルの研究開発交流を促進・強化することを目的とし、欧州研究会議(ERC-European Research Council)との間で実施取極を2018年10月7日に締結しました。JSTの助成を受ける研究者と欧州に於いてERCの助成を受ける研究者に対し、組織的に研究交流の機会が提供されることにより、更なる研究成果に繋がることが期待されます。
ERC
欧州研究会議(ERC)について
最先端研究分野において、世界中の卓越した頭脳を持つ研究者を支援する目的で2007年に創設。幅広い分野において欧州域内全体での厳しい競争を勝ち抜いた優秀かつ独創的な研究者に対する支援を行っています。研究者のキャリアやステージに応じた各助成金(Starting, ConsolidatorおよびAdvanced Grant)を中心に、 Synergy Grantや研究成果の実用化を支援するためのProof of Concept Grantがあります。過去10年でERCが支援した研究によるトップ1%論文数の国際シェアは平均4.84%。
詳しくは:ERCウェブサイトThe European Research Council - The first 10 years冊子
仕組み

仕組みについて

  • JSTが助成するプロジェクトの研究担当者および研究参加者が対象となります。
  • 共同実験など数日の滞在から、具体的な共同研究も可能な長期(最長12 か月)滞在まで、必要に応じた柔軟な連携が可能です。また、短期派遣ではプロジェクト期間中に研究者派遣・招へいを複数回実施することも可能です。
  • 研究者派遣及び研究者招へいの活動は既存のJST プロジェクトに組み込まれるため、プロジェクトの予算を活用して研究交流に必要な費用を支出可能です(特にJSTが必要と認めた場合には、追加予算を検討することがあります)。

活用のメリット

  • フロンティア研究に挑む卓越した研究チームを組織するERC研究者との研究討議や意見交換を通じ、新たな知見の獲得や既存の研究者ネットワークの拡充・新たな形成が期待されます。
  • ERCは2018年9月よりSynergy Grant(チーム型研究プロジェクト)で欧州域外の研究者をCo-PIとしてチームに組み入れ、支援する取組みを開始しました。JST-ERC間研究者交流推進スキームの活用により、トップ研究者による実質的な国際共同研究プロジェクトの企画立案をも展望した交流も実施可能です。

協力を始めるプロセス

  • JSTはJST研究者の受入を希望するERC研究プロジェクトリストを受け取ります(毎年更新、年末をめどに受領)。
  • JSTが助成中のプロジェクトへ本リストを配布します。本リストには、ERC研究者の名前、連絡先、プロジェクト概要などが含まれています。
  • JST研究者は、研究交流を希望するERCプロジェクトに直接連絡し、派遣・招へいを交渉します。
  • 本スキームを利用した派遣・招へいには、JSTの承認を得る必要があります。

ERCへ派遣する場合

日本側研究者をERCへ派遣する場合

流れ