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> 6.研究開発課題の個別評価(別紙2)
「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成17年度採択課題 事後評価報告書
平成18年10月
独立行政法人科学技術振興機構
科学技術振興審議会技術移転部会
独創モデル化評価委員会
6.
研究開発課題の個別評価
19
超高分解能X線顕微鏡用微少焦点X線ターゲットの開発研究
企業名
:理学メカトロニクス株式会社
研究者(研究機関名)
:大嶋 建一(国立大学法人 筑波大学)
1)
モデル化の概要および成果
ターゲットを包み込む膜としてSi
3
N
4
を用い、Cu及びMoの埋め込み型ターゲットを製作し、開放型X線評価装置に装着し、発生X線の領域とエネルギープロファイルを測定し評価した。それぞれの特性X線は埋め込まれたターゲット部のみから発生している事が確認された。この結果はターゲット部の大きさを小さくすれば、特性X線を発生する領域が小さくなることを示唆している。
しかしながら、Si
3
N
4
の膜は機械的に極めて丈夫であるが、優れた絶縁性のために、電子ビームの負荷をあげると、膜の帯電破壊や温度急上昇がおこり、部分的に破壊することがわかった。よって、Si
3
N
4
はキャップ層として好ましい素材ではなく、別の素材開発が必要であることがわかった。
2)
事後評価
モデル化目標の達成度
層状埋め込み式X線微少ターゲットを試作し、ターゲット材料からの特性X線の発生を確認した。しかし、層状素材の選定や照射電子線束の絞り機構の解決など関連する実用化技術の開発課題が残されている。
知的財産権等の創出
現時点での出願はない。
企業化開発の可能性
理論的裏付け、装置の設計、製作、開発体制に問題は無く、微小焦点のX線源としての実現の可能性は高い。しかし、企業化までには、更なる関連実用化技術の研究開発が必要である。
新産業、新事業創出の期待度
具体的な実用化目標を定めて開発を進めることによって、新しいX線顕微鏡産業への進展が期待できる。また高分解能のX線源の完成により、他分野での応用も期待できる。
3)
評価のまとめ
新しいX線解析技術の開発として期待されるが、企業化までにはさらなる研究開発が必要である。
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This page updated on November 7, 2006
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