評価一覧評価報告書目次 > 6.研究開発課題の個別評価(別紙2)

「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成17年度採択課題 事後評価報告書

平成18年10月

独立行政法人科学技術振興機構
科学技術振興審議会技術移転部会
独創モデル化評価委員会


6. 研究開発課題の個別評価
 20 光導波路型マイクロアレイイメージング装置の開発と実用化

企業名 :システム・インスツルメンツ株式会社
研究者(研究機関名) :鈴木 孝治(慶応義塾大学)

1) モデル化の概要および成果
 マイクロアレイを光導波路で作製し、バイオテクノロジーの基本的な検出技術である色素などのラベル化法を適用する蛍光法及び吸光法と、ノンラベル、ラベル化法が可能な表面プラズモン共鳴法(SPR)、さらに絶対量の定量ができる電気化学法の4つのモードの検出ユニットを具備し、ハイスループットかつ複合的なデータが得られる小型省スペースの定量型マルチ光導波路マイクロアレイ測定系の構築を目的とした。
 モデル化の結果、吸光法と表面プラズモン共鳴法(SPR)、さらに絶対量の定量ができる電気化学法の3つのモードの単体検出を行うことが出来、光導波路としての共通プラットホームから、従来の吸収測定やSPR測定だけでなく、蛍光イメージングや蛍光分光測定が可能であることが確かめられた。また、マイクロアレイを光導波路で作製した蛍光アレイイメージングについては、現状6×6のスポットまでの確認ができ、将来的には10×10のスポットの可能性を見いだした。一方、ラピットスキャン蛍光分光器での蛍光分光測定についてはハード的、ソフト的な原因で目標性能が得られず、今後の課題として残った。
 本モデル化により、装置の形態はできたが、スペック等についてはアプリケーション試験の結果をフィードバックして改良を図る必要がある。
2) 事後評価
1 モデル化目標の達成度
 ラピッドスキャン分光器の組み立ては完成したが、蛍光スポットの検出が目標レベルには未達であり、課題を残した。
2 知的財産権等の創出
 現時点での出願はない。
3 企業化開発の可能性
 共通のプラットホームから従来よりも多種類の分析、測定が可能であることが確かめられたが、検出感度や再現性の検討は未着手である。実用化にはこの点の検討と改良を要すると見られる。
4 新産業、新事業創出の期待度
 従来の装置に比べ横幅は縮小でき、複数の測定法で高感度にリアルタイム光計測が可能であるので、完成すれば幅広い研究機関への用途が期待でき、新市場開拓の期待が持てる。
3) 評価のまとめ
 分光器の組み立ては完成した。蛍光測定に一部課題は残したが、今後の改良により目的とする装置の開発は可能と考える。コンセプトは良く、完成後は新市場開拓の期待が持てる。

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This page updated on November 7, 2006
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