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> 6.研究開発課題の個別評価(別紙2)
「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成17年度採択課題 事後評価報告書
平成18年10月
独立行政法人科学技術振興機構
科学技術振興審議会技術移転部会
独創モデル化評価委員会
6.
研究開発課題の個別評価
17
金属スクラップを用いた電波吸収材料の開発
企業名
:株式会社 三徳
研究者(研究機関名)
:町田 憲一(国立大学法人 大阪大学)
1)
モデル化の概要および成果
Nb-Fe-B系希土類焼結磁石研磨屑から回収されたフェライト粉を電波吸収体として付加価値を付与してリサイクルすることを目的とする。原料フェライト粉は、高周波領域での電磁波の吸収効率を向上させるために、特別設計で製作したガス雰囲気反応炉を用い、水素還元による鉄金属粉化または窒化処理による窒化鉄粉化を行った。ここで、パイロットスケールにおいて均一な還元および窒化処理を行うための最適処理条件を確立した。次に、フェライト粉、還元処理粉および窒化処理粉を混合することで磁性粉の透磁率特性の広帯域化を図り、これらの混合磁性粉に対して最適な誘電特性を有するバインダー樹脂の探索を行い、透磁率(磁性体)と誘電率(バインダー樹脂)を整合させ、高性能電波吸収シートおよび広帯域対応型積層型電波吸収体の作製法を確立した。これら作製した電波吸収材料の特性は、ネットワークアナライザを用いて自由空間法により直接評価した結果、モデル化の目標である2〜10GHzの周波数領域で−20dBの電波吸収特性を達成することが出来た。
2)
事後評価
モデル化目標の達成度
モデル化目標は概ね達成された。
知的財産権等の創出
現時点で出願はない。
企業化開発の可能性
製造までの基本技術はすでに完成し、ユーザー評価を受けて企業化に移行することを期待する。
新産業、新事業創出の期待度
電磁遮蔽の新素材として位置付けられ、ニーズの拡大が見込まれ、限られた需要の中での確実な進展が期待できる。
3)
評価のまとめ
モデル化は計画通りに推移し、目標をほぼ達成した。今後は利益のある商品に発展させるための性能向上、原価低減等を重点に開発を進めていただきたい。
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This page updated on November 7, 2006
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