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> 6.研究開発課題の個別評価(別紙2)
「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成17年度採択課題 事後評価報告書
平成18年10月
独立行政法人科学技術振興機構
科学技術振興審議会技術移転部会
独創モデル化評価委員会
6.
研究開発課題の個別評価
16
革新的電解プロセスによる電気二重層キャパシタ用多孔質カーボン膜電極の開発
企業名
:株式会社 イオックス
研究者(研究機関名)
:伊藤 靖彦(同志社大学)
1)
モデル化の概要および成果
本研究課題では、溶融塩電解プロセス(MSEP)により、バインダー類を使用せずに、金属基板上にカーボン膜を電解のみの単一ステップで直接形成させる新技術を用いて、電気二重層キャパシタのための高性能多孔質カーボン膜電極の開発を行った。
様々な条件でカーボン膜を作製し、その膜形態や発現する二重層容量について分析・評価を行った。その結果、カーボン膜作製の際の電解条件と形成されるカーボン膜の形態や構造、物性について知見を得ることができた。特に、薄く作製した緻密カーボン層からなるカーボン膜電極が示す二重層容量が、溶融塩中で400F/g近い値を得た。また、洗浄後の電極細孔内に残留塩が存在しているものの有機電解液中で60F/gを超える値を得た。今後の洗浄方法等の開発により目標の100F/gを超えることが期待される。
2)
事後評価
モデル化目標の達成度
多孔質カーボン膜電極について溶融塩電解プロセスでの電解条件と形成膜の物性の相関に関する知見は得られているが、活性炭の100〜150F/gを凌駕する目標値は達成されていない。
知的財産権等の創出
現時点での出願はない。
企業化開発の可能性
電気二重層キャパシタ用電極の作製法としての可能性は認められるが、実用化の検討がなされておらず、緻密カーボン層単相の形成、厚膜化、洗浄方法の開発など企業化を判断するために必要な技術情報を蓄積するには今後の継続研究が必要と考えられる。
新産業、新事業創出の期待度
技術的ブレークスルーの可能性が明らかになり、それが達成されれば新産業創出の期待は持てるが実用化レベル迄の解決すべき課題が多い。
3)
評価のまとめ
企業化を判断できる技術的成果が不十分であり、今後も引き続き研究を進める必要がある。
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This page updated on November 7, 2006
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