評価一覧評価報告書目次 > 6.研究開発課題の個別評価(別紙2)

「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成17年度採択課題 事後評価報告書

平成18年10月

独立行政法人科学技術振興機構
科学技術振興審議会技術移転部会
独創モデル化評価委員会


6. 研究開発課題の個別評価
 10 病原体フリー(SPF)養殖魚を用いた高機能性コラーゲン素材開発

企業名 :井原水産株式会社
研究者(研究機関名) :田中 順三(国立大学法人 北海道大学)

1) モデル化の概要および成果
 安全な魚類コラーゲン素材を作る目的に、特定の病原体がいない魚が健康に育つ環境(SPF)で魚を養殖し、安全なコラーゲンを抽出するもの。
 本モデル化では、SPFの状態を維持しながら養殖ができることを証明すること、コラーゲンの抽出技術を改良すること、抽出したコラーゲンの安全性を確認すること、コラーゲンを化粧品および医療材料として利用できるかの検証をすること、およびコラーゲンの変性温度を人為的に制御することを検討した。その結果、SPF養殖が可能であること、抽出効率の向上および炎症反応が少なく生態親和性が高い市販の豚コラーゲンと遜色ない医療・化粧品用の魚コラーゲンの開発に成功した。またコラーゲンの物性を人為的に変えるという成果も得た。長期間のSPF養殖の可能性、養殖やコラーゲン抽出の採算性に課題はあるが、今後の進展次第では医療用の魚類コラーゲンが製品化可能となる見込みがある。
2) 事後評価
1モデル化目標の達成度
 モデル化目標は概ね達成した。
2知的財産権等の創出
 現時点での出願はない。
3企業化開発の可能性
 コスト的に優位性があれば企業化の可能性はある。それにはまず養殖事業としての可能性を検討する必要がある。
4新産業、新事業創出の期待度
 研究は現在まで順調に進んでいる。コラーゲン生産の採算性の課題が解決できれば、新事業創出の期待は持てる。
3) 評価のまとめ
 モデル化目標は概ね達成したが、実用化にはコスト面や養殖事業の可能性等の課題が残る。今後も引き続き研究を進めていただきたい。

戻る 次へ

目次に戻る
This page updated on November 7, 2006
Copyright©2006 Japan Science and Technology Agency.
www-admin@tokyo.jst.go.jp