評価一覧評価報告書目次 > 6.研究開発課題の個別評価(別紙2)

「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成17年度採択課題 事後評価報告書

平成18年10月

独立行政法人科学技術振興機構
科学技術振興審議会技術移転部会
独創モデル化評価委員会


6. 研究開発課題の個別評価
 8 高分解能高感度動物用PET装置の開発

企業名 :株式会社 アポロメック
研究者(研究機関名) :山本 誠一(神戸市立工業高等専門学校)

1) モデル化の概要および成果
 動物用PET装置は創薬や再生医療の研究開発における動物実験の評価等に利用できることから、世界的に注目されている。本技術は、高空間分解能と高感度を併せ持つ動物用PET装置を開発するもので、装置は検出器部、データ収集部、データ処理部の3ブロックで構成され、空間分解能と感度は検出器の設計でほぼ決定される。
 本モデル化では、検出器にCe濃度の異なるGSO単結晶を積層し、波形解析により発光の深さ位置が検出可能な機構を設けることで、高分解能と高感度を達成した。開発した動物PET装置のエネルギー応答、時間応答、深さ方向位置弁別性能等の基本的性能を評価した結果、分子イメージング用の研究に十分な性能を有するレベルであることが確認できた。今後、画像構成等のソフトウエア等を改良することにより、実用的な動物用PET装置となることが期待される。
2) 事後評価
1モデル化目標の達成度
 動物用PET装置の分解能、絶対感度に課題を残した。
2知的財産権等の創出
 現時点での出願はない。
3企業化開発の可能性
 動物用PET装置の要素技術の重要な部分(検出器リング、電子回路、データ収集装置)は開発を完了しているが、商品化するためには、検出器の安定性・画像再構成ソフトウェアの改良、装置の操作性・保守性など改良点を多く残している。
4新産業、新事業創出の期待度
 今回開発したPET装置の検出器リング、電子回路、データ収集装置の要素技術は、他の小型医用画像装置などへの転用が可能である。装置の改良により新産業の創出は期待できる。
3) 評価のまとめ
 要素技術に関しては概ね開発は完了したが、実用化に向けて改良すべき課題が残っている。新産業創出の期待もあるため、今後も引き続き研究を進める必要がある。

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