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> 6.研究開発課題の個別評価(別紙2)
「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成17年度採択課題 事後評価報告書
平成18年10月
独立行政法人科学技術振興機構
科学技術振興審議会技術移転部会
独創モデル化評価委員会
6.
研究開発課題の個別評価
7
マイクロバブルによる次世代型省エネ装置の開発
企業名
:株式会社 三井造船昭島研究所
研究者(研究機関名)
:大成 博文(独立行政法人国立高等専門学校機構 徳山工業高等専門学校)
1)
モデル化の概要および成果
多様な機能を発揮するとして脚光を浴びているマイクロバブル技術を船舶に適用して省エネ化を実現する目的で研究開発を実施した。
船体から離れないようにマイクロバブルを吹き出す装置を試作し、水槽試験により評価して、壁面摩擦応力がモデル化目標の10%以上減少することを確認した。全抵抗も2%低減することが確認できた。
また、最適吹き出し流量、船体曲率の影響、表面荒さ影響等を調査・研究した結果、実船のエネルギー収支で3〜7%の省エネ化が実現可能なことがわかった。
さらに、従来の空気吹き出し方式に比べて船体運動の影響を受けないなど優位な点が多いこともわかった。今後、マイクロバブル吹き出し制御法を確立すれば実用化が可能である。
2)
事後評価
モデル化目標の達成度
壁面摩擦応力を安定して10%以上減少させるというモデル化目標は水槽実験で確認され、当初目標値は達成した。さらに船体模型の全抵抗値を2%低減したことを確認した。
知的財産権等の創出
現時点での出願はないが、今後特許1件の出願を予定している。
企業化開発の可能性
今後さらに長尺模型船実験による精度の高いバブル被覆面積の最適化(吹き出し装置の配置と吹き出し量の最適化)の確認や、バブル生成装置の改善(高ボイド率化)など、解決すべき重要課題が残されているが、これらの課題が解決されれば、企業化開発の可能性は十分にある。
新産業、新事業創出の期待度
目標とする7%以上の省エネ効果が大型タンカーなどで達成されれば、CO
2
排出削減効果ならびに経済的効果は大きく、海上輸送事業にとって影響力の大きい新技術として期待できる。
3)
評価のまとめ
今回の実験で基本的な可能性が確認されたが、未だ実用化には技術的に解決しなければならない試験研究が残されている。しかし経済的効果や社会性も大きいテーマであるので、製品化に向けた開発の進展を期待する。
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This page updated on November 7, 2006
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