評価一覧評価報告書目次 > 6.研究開発課題の個別評価(別紙2)

「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成17年度採択課題 事後評価報告書

平成18年10月

独立行政法人科学技術振興機構
科学技術振興審議会技術移転部会
独創モデル化評価委員会


6. 研究開発課題の個別評価
 6 生体表面でも動作可能なワイヤレスデバイスによる生体情報計測・管理システムの試作

企業名 :株式会社 タキオン
研究者(研究機関名) :荒井 賢一(国立大学法人 東北大学)

1) モデル化の概要および成果
 電子デバイスに非接触で電源としてのエネルギーを送り、通信を行うというコンセプトは非接触ICカードやRF-IDタグ等の無線送受電技術として知られているが、生体の近傍・内部では電波が吸収されてしまい良好な動作が得られていない。
 本モデル化ではオンチップMEMS技術、機能性磁性薄膜技術を応用し、電界による伝播ではなく磁界結合にすることで、これまで困難であった生体近傍のデバイスに電波でエネルギーを送り、同時に通信を可能とする技術の確立を目指したものである。具体的には、1 オンチップMEMSコイル部について詳細な検討、2 測温制御、通信部及び温度センサを一体化した1チップLSIの設計・製作、3 常時貼付型体温モニターとしてのプロトタイプ1式の製作、の3項目について、いずれも所定の作業を終了し、当初の目標を達成した。バッテリレスで動作し、測温・通信という機能のLSIを実現し、また小型オンチップコイルアンテナも所定の成果を挙げ、プロトタイプ体温モニタを完成させた。
2) 事後評価
1モデル化目標の達成度
 モデル化目標は達成したと認められる。
2知的財産権等の創出
 現時点での出願はないが、1件の出願を予定している。
3企業化開発の可能性
 商品化を目指している「常時貼付型体温モニター」については、プロトタイプが完成しているので、消費電力削減や製品の小型化など、商品化への課題の解決はさほど困難ではないと考えられ、企業化は可能であると考える。
4新産業、新事業創出の期待度
 体温モニターの他、多くの医療機器モニターへ展開が可能となる。その他、各種のワイヤレス器具・製品が求められており、需要は見込まれる。
 さらに食品業界などへの応用製品が考えられるので、新事業創出の期待度は高い。
3) 評価のまとめ
 技術成果はほぼ満足すべき段階まで到達した。今後はより高度な商品化に向けた開発を期待する。

戻る 次へ

目次に戻る
This page updated on November 7, 2006
Copyright©2006 Japan Science and Technology Agency.
www-admin@tokyo.jst.go.jp