評価一覧評価報告書目次 > 6.研究開発課題の個別評価(別紙2)

「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成17年度採択課題 事後評価報告書

平成18年10月

独立行政法人科学技術振興機構
科学技術振興審議会技術移転部会
独創モデル化評価委員会


6. 研究開発課題の個別評価
 5 高出力半導体レーザによる半導体成膜プロセス技術開発

企業名 :株式会社 アルファ・イーコー
研究者(研究機関名) :川崎 雅司(国立大学法人 東北大学)

1) モデル化の概要および成果
 酸化亜鉛を原料とした青色発光ダイオードの製造に必要な分子線エピタキシー装置に搭載する高出力半導体レーザ加熱装置を開発するもので、レーザ光を利用した温度変調法により2インチサイズ基板を高速かつ均一に加熱することが可能である。
 加熱源となる高出力半導体レーザの出力がガウシアンの強度分布を持つため、2インチ基板面全体に均一な強度分布になる新たな光学系の開発がポイントとなることから、本モデル化では、高出力半導体レーザを使った種々の実験を行い、均熱板材料・形状の選定,カスタマイズホモジナイザモジュールの製作、レーザ照射の最適条件の模索を行った。
 その結果、均熱板の昇降温時間は、目標を上回る成果を得ることができたが、均熱板での最高到達温1072.4℃(目標1100℃)、温度の均一性±1.85%(目標±1%)については、目標を達成することはできなかった。しかし、更なる研究を続けることによって達成することが可能な段階にある。
2) 事後評価
1モデル化目標の達成度
 均熱板の最高到達温度、またその温度の均一性については目標値をわずかに未達だが、レーザ源の高出力と均熱板に関する検討で十分にクリアー出来るレベルに達した。均熱板の昇降温時間についてもほぼ目標を達成した。
2知的財産権等の創出
 出願件数 :1件  出願番号 :特願2006-019956号
 発明の名称:「レーザ加熱装置」
 発明者  :坂口 功、千葉 貴史、寺田 昌男、植松 忠之((株)アルファ・イーコー)
3企業化開発の可能性
 一部の目標未達成部分に関しては今後の改善で十分達成可能であり、今後の企業化の可能性は高い。青色LED用チップ(ウエハー)製作の可能性を検討する必要がある。
4新産業、新事業創出の期待度
 分子線エピタキシアル法を代表とする超高真空中でのPVD法、またCVD法での基板加熱で、従来法の抵抗加熱による方法に比べて、本半導体レーザ加熱のメリットは明らかであり、その他の分野、また製品などへの展開は十分に予測される。
3) 評価のまとめ
 モデル化目標は概ね達成したが、研究を継続し、次のステップ(基板サイズ4〜6インチ)での目標値の達成を期待するとともに、開発装置によりZnOウエハー(青色LED)の実験実証を行って、完成度を高めていくことを期待する。

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This page updated on November 7, 2006
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