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> 6.研究開発課題の個別評価(別紙2)
「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成17年度採択課題 事後評価報告書
平成18年10月
独立行政法人科学技術振興機構
科学技術振興審議会技術移転部会
独創モデル化評価委員会
6.
研究開発課題の個別評価
4
電場ピックアップ法によるソフトマテリアルの非接触・非破壊表面物性測定装置の試作
企業名
:京都電子工業株式会社
研究者(研究機関名)
:酒井 啓司(国立大学法人 東京大学)
1)
モデル化の概要および成果
電場ピックアップ法は、試料表面の微小領域(直径100μm、深さ100μm)の表面物性(粘性、表面張力)を非接触・非破壊で同時測定可能な画期的な手法である。本モデル化ではこの特許の実用化を目指し、試作機を製作後性能評価試験を行い、以下の基本性能を確認した。
各種粘度標準液(従来法での測定値既知)による検量線は良好な直線性を示し、同一試料の繰返し測定では目標である再現性±5%が得られた。
表面張力測定については、再現性の±5%は確認できたが、信号振幅から表面張力を得る事が出来ず、測定範囲0〜100mN/mは確認できなかった。今後スペックル法を導入して改良を図る。
実試料(合成樹脂塗料)の硬化過程の追跡測定では、経時的な塗料表面の粘性の増加が容易に観測出来た。
本法が実用化されれば、ソフトマテリアル(塗料、接着剤、ゼラチン等)の硬化過程、ゲル化過程の新しい解析手法として期待される。
2)
事後評価
モデル化目標の達成度
表面張力の測定に課題を残したものの、モデル化目標は概ね達成した。
知的財産権等の創出
現時点での出願はない。
企業化開発の可能性
課題を残した表面張力測定に関しては既に解決の方策が練られており、今後改善を積んでいけば本装置の完成の可能性はある。
新産業、新事業創出の期待度
非接触による粘度、表面張力等の物性が測定可能となる本測定器には、需要拡大が期待できる。
3)
評価のまとめ
実用化には時間を要するが、可能性は高いと考えられる。今後も引き続き開発の推進を期待する。
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This page updated on November 7, 2006
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