報告書(別紙1) > 3.研究開発課題の個別評価

独創的シーズ展開事業 独創モデル化
平成16年度採択課題 事後評価報告書

平成17年10月

独立行政法人科学技術振興機構
科学技術振興審議会技術移転部会
独創モデル化評価委員会


(別紙1)
3. 研究開発課題の個別評価
 12 革新的大面積プラズマシステムの開発

企業名 :株式会社 イー・エム・ディー
研究者(研究機関名) :節原 裕一(大阪大学 接合科学研究所 教授)

1) モデル化の概要および成果
 本開発では2メートル級超大面積プラズマ源を実現するための基本技術開発に重点を置き、プラズマ発生用の低インダクタンスアンテナと高出力の高周波増幅器及びインピーダンス整合回路とを直結した高周波増幅器一体型アンテナユニットを複数台搭載した基板サイズ420×510mm対応の大型プラズマ源の開発及びプラズマ源に適合したプラズマシミュレーションコードの開発を行った。
 その結果、複数の低インダクタンスアンテナユニットとそれらユニットの独立かつ統合的な制御が大面積・高密度・低ダメージプラズマ生成に有効であることを実証した。また、本プラズマ源に適用したプラズマ分布制御用シミュレーションコードも開発することができ、2メートル級プラズマ源実現のための要素技術開発を達成することができた。
2) 事後評価
1 モデル化目標の達成度
プラズマ源等のハード構築については目標を達成したが、今後はその有効性を検証するための薄膜形成実験を行う必要がある。
2 知的財産権等の創出
創出無し。モデル化終了後1年以内に1〜2件の特許出願を予定。
3 企業化開発の可能性
アンテナユニットの独立統合的な制御システムによるプラズマ状態制御の有効性が実証できているので、今後の成膜検証でモデル化の目標が達成出来れば、企業化の可能性は開ける。
4 新産業、新事業創出の期待度
大面積プラズマ制御技術は液晶ディスプレイや太陽電池製造等の分野で低コスト化に有効であり、成膜検証が確かめられれば波及効果が期待できる。
3) 評価のまとめ
 プラズマ源等のハードウエア構築に関しては所期の目標を達成した点は評価に値するが、有効性を検証するための薄膜形成実験が未実施となっている。大面積プラズマの制御技術は液晶ディスプレイや太陽電池製造のコストダウンに有効な技術であるだけに、実用化に欠くことのできない未実施の成膜検証を確実に進めることが必要である。

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This page updated on October 25, 2005
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