報告書
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(別紙1)
> 3.研究開発課題の個別評価
独創的シーズ展開事業 独創モデル化
平成16年度採択課題 事後評価報告書
平成17年10月
独立行政法人科学技術振興機構
科学技術振興審議会技術移転部会
独創モデル化評価委員会
(別紙1)
3.
研究開発課題の個別評価
10
超極細ワイヤーで構成したマイクロパーツの開発
企業名
:水越計器株式会社
研究者(研究機関名)
:本田 智(東京都立科学技術大学 工学部 機械システム工学科 助教授)
1)
モデル化の概要および成果
超極細ワイヤーで構成したマイクロパーツの開発において、直径が30、20、10μmの超極細ワイヤーを用いてマイクロねじ、マイクロナット、マイクロ歯車の試作、また、これらマイクロパーツを組合わせたマイクロステージ、マイクロ遊星歯車、マイクロシリンジの試作を試みた。モデル化の結果として,直径が30μmの超極細ワイヤーを用いたマイクロネジ、マイクロナット及びこれらを組み合わせたマイクロステージを試作できた。また、マイクロ歯車については直径50μmの超極細線を用いた試作に止まる一方で、予定外の新たなマイクロタービンを試作することができた。これらにより、超極細ワイヤーを用いたマイクロパーツの製作法により様々なマイクロパーツを開発でき、この製作法が有効であることが確認できた。
2)
事後評価
モデル化目標の達成度
超極細ワイヤーを用いマイクロパーツを製作することが原理的には可能であることを実証できた点は評価できる。しかし、モデル化目標の試作物を全て完成するには至らず、できた試作物に関しても、ピッチのばらつき精度は目標値に達していない。
知的財産権等の創出
現時点で創出はないが、今後の周辺特許の創出が見込まれる。
企業化開発の可能性
現状のレベルから判断すると、企業化には多くの課題が残されており、実用化のハードルはかなり高いと思われる。但し、最も基本のネジ・ナットについては、ピッチの精度と耐摩耗性が達成できれば実用化の可能性は大きい。
新産業、新事業創出の期待度
今後モデル化の目標を達成できれば、マイクロパーツ、製造装置、システムへと新しい世界を構築することが可能になり、この分野をリードできる事業につながることが期待できる。
3)
評価のまとめ
本モデル化の結果を見る限りでは実用化にはまだ相当の時間を要すると思われるが、モデル化は原理的には成功していると考えられるため、今後、工業製品としてのレベルアップを図り、良好な市場評価を得ることが出来れば、新産業の創出の可能性は高まると考えられる。
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This page updated on October 25, 2005
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