報告書(別紙1) > 3.研究開発課題の個別評価

独創的シーズ展開事業 独創モデル化
平成16年度採択課題 事後評価報告書

平成17年10月

独立行政法人科学技術振興機構
科学技術振興審議会技術移転部会
独創モデル化評価委員会


(別紙1)
3. 研究開発課題の個別評価
 9 クローズドサイクル式冷凍機を用いた低温用多用途カロリメータの試作

企業名 :株式会社 ジェック東理社
研究者(研究機関名) :加藤 英幸(独立行政法人産業技術総合研究所 計測標準研究部門 物性統計科 熱物性標準研究室 室長)

1) モデル化の概要および成果
 本比熱容量計測システムは、クライオスタット本体に除振機構を持たせ、低振動のパルスチュ−ブ冷凍機を採用したことにより電気と冷却水のみで4.5Kという極低温を実現し、室温までの広い温度領域について振動に影響されずに比熱容量を測定可能である。また、PCによりソフトウェアPID(Proportional Integral Derivative)制御、及び排気用、熱交換ガス用電磁弁制御を行い、長時間の完全自動運転を実現させる為の基本プログラムを作成した。商品化の実現に向けて、試作品の評価試験(今回未実施分)や多様なユーザを想定した試作品の改良を今後行っていく必要がある。
2) 事後評価
1 モデル化目標の達成度
モデル化目標は概ね達成されたが、商品化までには残る課題が非常に多く、重要な改善が必要な個所も見受けられ、更なる改良が必要である。
2 知的財産権等の創出
現在まで創出なし。
3 企業化開発の可能性
完全自動化の高精度熱量計の商品化には、まだ改良すべき点が多く残っており、今後長時間を要するであろうが、モデル化企業の技術力から見て可能性はある。従って、試験機がトラブルシュータ機に終わらせず、新商品販売につながるまで実用化に向けた取り組みを継続することが肝要である。
4 新産業、新事業創出の期待度
試作品の商品化が実現すれば、カロリーメータ市場への進展と、バイオ、食品、医薬の分析評価技術への展開に新市場が期待できる。
3) 評価のまとめ
 モデル化目標は概ね達成したが、難しいシステムであるだけに、商品化までには改良すべき課題が多く残されている。ただ完成に至れば、分析評価技術への展開に新市場が期待されるだけに、今後の継続的努力を期待する。

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This page updated on October 25, 2005
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