報告書(別紙1) > 3.研究開発課題の個別評価

独創的シーズ展開事業 独創モデル化
平成16年度採択課題 事後評価報告書

平成17年10月

独立行政法人科学技術振興機構
科学技術振興審議会技術移転部会
独創モデル化評価委員会


(別紙1)
3. 研究開発課題の個別評価
 5 革新的ナノ析出設計を用いた次世代超高温ボルト鋼材の試作

企業名 :株式会社 神戸工業試験場
研究者(研究機関名) :阿部 冨士雄(独立行政法人物質・材料研究機構 超鉄鋼研究センター 耐熱グループ ディレクター)

1) モデル化の概要および成果
本モデル化で開発した新材料は、クリープ強度、強度特性、材料の均質性の確保、及び加工性の確保について目標を満足するものであった。特に耐熱ボルト鋼として重要な材料特性であるクリープ強度では、現有材と比較して耐熱温度が約10℃向上した。また、実用性評価の結果、実用上ボルトとして重要な4万時間後の残存締付け力は、高温の630℃でも保持しており、耐熱ボルトとして良好な特性を保持していた。

2) 事後評価
1モデル化目標の達成度
最終的に絞り込んだ試験材では、クリープ強度、強度特性、材料の均質性の確保、及び加工性の確保について所期の目標はほぼ達成された。
2知的財産権等の創出
原権利の特許成分範囲内であり、新規創出は無し。
3企業化開発の可能性
実用化の可能性はあるが、鋼材メーカとタイアップし、厳しい実機環境テストによる実用評価を充実させ、信頼性の検証を行っていく必要がある。
4新産業、新事業創出の期待度
蒸気タービンボルトでの信頼性検証が出来れば、蒸気タービン大型部材への展開が可能となり、ひいては高効率火力発電プラントが実現する可能性が出てくる。
また、蒸気タービンに限らずロケット等、超高温メカニックの要素機構部品材料として注目される。
3) 評価のまとめ
 本モデル化では、実用化に向けての基礎データを得ることができ、実機での検証に必要な準備が整うまでに至った。今後は、実機を使っての耐久テスト等の開発テストを中心に実用化に向けた更なる取組を期待する。

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This page updated on October 25, 2005
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