報告書(別紙1) > 3.研究開発課題の個別評価

独創的シーズ展開事業 独創モデル化
平成16年度採択課題 事後評価報告書

平成17年10月

独立行政法人科学技術振興機構
科学技術振興審議会技術移転部会
独創モデル化評価委員会


(別紙1)
3. 研究開発課題の個別評価
 3 多温度蛋白質結晶育成装置の開発

企業名 :株式会社 キノテック
研究者(研究機関名) :安達 宏昭(大阪大学大学院 工学研究科 電気工学専攻 助手)

1) モデル化の概要および成果
 蛋白質結晶化は、ポストゲノム研究にとって極めて重要だが、その困難さが研究のボトルネックとなっている。本モデル化では、「マイクロプレート上での複数温度による同時実験」というこれまでにない発想の多温度蛋白質結晶育成装置の開発を目指す。また、本装置の小型簡易かつ良好な温度制御可能という特徴を生かして、蛋白質結晶化のみならず、生化学研究全般に広く適用し、標準的実験ツールとして普及させることも視野に入れた開発を行う。具体的には、マイクロプレート上への連続的温度勾配の生成による10を超える温度の同時設定で、これまでは実施困難だった結晶育成最適条件探索の迅速化を実現できる新規装置の開発を行った。その結果、開発した試作機は、最大生成温度差が35℃以上、温度勾配の不均一が生成温度差の±3%以下、温度の短期変動が±0.1℃以下、長期変動が生成温度差の2%以下といった当初掲げた性能目標をほぼ達成するに至った。
2) 事後評価
1 モデル化目標の達成度
概ね当初の目標を達成できたと認められる。
2 知的財産権等の創出
特許1件出願済み。
3 企業化開発の可能性
開発した多温度蛋白質育成装置は商品化の目途が得られているが、今後、技術の応用を含め商品展開の工夫が必要である。
4 新産業、新事業創出の期待度
既にモデル化装置のマイクロプレート上での複数温度による同時実験というコンセプトに多くの関心が寄せられていて、広範な研究に使用されるツールとして大いに期待できる。
3 ) 評価のまとめ
 モデル化の開発が順調に進んだと思われる。今後は、各用途での外部ユーザとの意見交換を通じて、商品価値の向上に向けた活動・努力を継続的に進めていくことを期待する。

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This page updated on October 25, 2005
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