報告書
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(別紙1)
> 3.研究開発課題の個別評価
独創的シーズ展開事業 独創モデル化
平成16年度採択課題 事後評価報告書
平成17年10月
独立行政法人科学技術振興機構
科学技術振興審議会技術移転部会
独創モデル化評価委員会
(別紙1)
3.
研究開発課題の個別評価
2
ミニチュア拡散スクラバーとLEDを組み合せた安価な空気汚染ガス自動連続測定装置の開発
企業名
:東京ダイレック株式会社
研究者(研究機関名)
:田中 茂(慶應義塾大学 理工学部 教授)
1)
モデル化の概要および成果
本研究で実用化を目標とする空気汚染ガスの安価な自動連続測定装置は、小型で操作が簡単であり,専門技術者,高価な分析機器を必要とせず現場で経済的かつ簡便に空気汚染ガスのモニタリングが可能な装置である。
本モデル化では、ミニチュア拡散スクラバーを有害ガスの捕集に使用し、捕集されたガスと発色試薬との反応により生じた発色の吸光度を発光ダイオード(LED)簡易比色計により測定する。特に,自動車、タバコなどからの排出で問題となる二酸化窒素については,以下を目標とした。
環境基準値(40〜60ppbv)を十分に測定可能なシステムとする。定量下限値として数ppbv。
±10%以下の誤差であること。
測定現場で分析が可能である小型・軽量・可搬型な装置。
測定に要する時間として,30〜60分以内。
設計,試作した自動連続測定装置の性能評価した結果,二酸化窒素に関して、環境基準値(40〜60ppbv)を十分に測定できる装置が実用化でき、その定量下限値は数ppbvであった。又、測定精度は,±10%以下であることを確認し、公定法である化学発光法のNOxメーターとのクロスチェックを行った結果、両者の測定値には良好な一致が得られた。更に、実用化した自動連続測定装置は、小型・軽量・可搬である目標を達成した。
注)ppbv(parts per billion by volume):濃度の単位。1 ppbvは単位体積あたり10 億分の一
2)
事後評価
モデル化目標の達成度
定量下限値、精度、小型・軽量・可搬型等の目標は全て達成された。
知的財産権等の創出
現在まで創出無し。今後取得の可能性有り。
企業化開発の可能性
装置の実地検証を進め、製品度の向上、完成を進める。さらにオゾンや他の有害ガスについても実用化を検討することから、企業化は期待できる。
新産業、新事業創出の期待度
従来の1/10以下の測定器の需要は多くあり、コスト低減に伴い、環境測定分解は安全衛生の視点からも増大することが期待でき、更なる産業の創出も考えられる。
3)
評価のまとめ
当初の目標通り、環境中のNO
2
の測定を安価、簡単、高精度で行う自動連続測定装置を完成した。今後、本自動連続測定装置の測定手法を、他の有害ガスの検知にも応用し発展させることで、現場・市場の更なる要望に応えることが期待できる。
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This page updated on October 25, 2005
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