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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成15年度実施課題 事後評価報告書



平成17年1月
科学技術振興審議会技術移転部会独創モデル化評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 66 (H15−0252)ディーゼル使用過程車用排出ガス低減装置の開発

企業名 :株式会社 アペックス
研究者(研究機関名) :勝田 晨陸(財団法人 産業創造研究所 化学研究部 主任研究員)

1 ) モデル化の概要および成果
 平成17年に施行されるディーゼル使用過程車の排気ガス規制に適応できる排出ガス低減装置の試作と評価を行った。ディーゼル燃料を還元剤として使用するNOx選択還元触媒からなるNOx低減部と酸化触媒つきの金網フィルターからなるPM低減部を試作した。
 NOx低減部は還元剤であるディーゼル燃料の噴射ノズルの位置、噴射圧力、排気ガスとの混合比改善などを行いNOx除去率の向上と還元剤の噴射量の低減を図った。
 PM低減部は金網のメッシュ、形状、枚数、全体の構成など多くの仕様について評価を行い低減率の向上と確実な再生(すすの燃焼)を目指した。
 NOx低減部とPM低減部を組み合わせて評価した結果NOx低減率は26%、PM低減率は60%という結果を得たが、それぞれ目標値である30%、65%には到達しなかった。今後更に改良を行い目標の達成を図り企業化を実現したい。

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 NOxの低減率は30%に対し26%、PMの低減率65%に対し60%と、もう一息のレベルに到達した。
知的財産権等の発生
 現在まで発生なし、今後の取得の可能性あり。
企業化開発の可能性
 企業化のための具体的対策としては、特にコスト目標を満足する量産仕様と量産工法を実現するための具体策が必要である。
新産業、新事業創出の期待度
 排ガス規制の強化に対し、既存の技術と併せ対応すれば新事業創出は可能と思われる。
3 ) 評価のまとめ
 自社の保有技術とNOx還元触媒技術の組み合わせで、モデル化のためのユニットを設置し実証的試験を行い、ほぼ計画通り進んだ。完成レベルへ到達するには、さらなる開発が必要であり、また実機を製造・搭載・サービス事業化するには、開発に具体的計画をもって進捗させる必要がある。

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This page updated on March 25, 2005
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