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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成15年度実施課題 事後評価報告書



平成17年1月
科学技術振興審議会技術移転部会独創モデル化評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 36 (H15−0121)集積型錯体による選択的ガス吸着剤の開発

企業名 :株式会社 マイクロアクア
研究者(研究機関名) :前田 泰昭(大阪府立大学大学院 工学研究科 物質系専攻 教授)

1 ) モデル化の概要および成果
 生物学的汚水処理法では、処理後の水質向上と共に、処理に伴って発生する余剰汚泥を減量することが重要な課題である。現在余剰汚泥は、下水処理場の普及に伴って増加し続けており、埋立処分地の減少とともに深刻な問題となっている。
 従来の汚泥減量化技術は、様々な方法で余剰汚泥を破砕し、COD負荷として酸化槽に戻し微生物に分解させる方法であるが、実際は分解されない部分が多く、微細化された汚泥は沈殿せず、処理水に含まれた状態で排水している。このため処理水質を悪化させない汚泥減量化技術の開発が急務となっている。
 本モデル化では、ミニプラントの作製とフィールド実験を行い、電磁場を伴った空気(活性エアー)を散気管曝気することにより、処理水質を悪化させること無く、汚泥の発生を抑止できることが検証できた。これは活性エアーにより、微生物が活性化されたためであると推測される。但しこれは10リットルという小型水槽での検証結果であるため、今後は実際の下水処理場と同様の連続系での、発生汚泥の減量とともにCOD、窒素、リンの除去効果の検証が必要である。

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 データ不足の面はあるが、汚泥の減量効果が表れている。さらなるシステムの最適化条件の確立が必要である。
知的財産権等の発生
 現在まで出願なし。
企業化開発の可能性
 本技術は簡便なシステムであるので効果が実証されれば汚泥処理施設等への実用化が期待される。
新産業、新事業創出の期待度
 実用化されれば汚泥処理施設等でのランニングコストの低減、環境浄化により経済的、社会的に大きな効果が期待される。
3 ) 評価のまとめ
 実際の汚泥処理施設での検証が必要であるが、精力的に実験は進められており、今後の開発を見守りたい。

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This page updated on March 25, 2005
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