1 ) |
モデル化の概要および成果 |
4g/hrの過酢酸発生能力を有する電解合成セル、殺菌処理容器、過酢酸濃度センサー及び分解物除去フィルターからなる殺菌処理システムを製作し、次に電解により生成した過酢酸水溶液600ppmを、負荷を有するシステム内で循環させ、過酢酸濃度が維持できること及び過酢酸水溶液の殺菌能力が市販液と同等であることを確認した。
過酢酸が電解合成できることを60dm2規模のセルで確認した。
過酢酸濃度は目標値とした600ppmを越える680ppmを得た。一方、最大発生能力としては3.2g/ hrであり、目標値をほぼ満たした。9時間に亘って電解し過酢酸を600ppm含む溶液が維持できることを確認した。過酢酸600ppmを閾値とし、濃度センサーによる電流値へのフィードバック制御ができることを実証した。殺菌試験を実施し、市販の過酢酸溶液と同程度の能力を有することを確認できた。
触媒、セル構造、反応条件の最適化を行うことにより、更なる改善は可能と考える。
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2 ) |
事後評価 |
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モデル化目標の達成度
電解合成による過酢酸の製造システムの試作はほぼ完了し、過酢酸濃度の目標値は達成したが、得られた発生能力が80%だった。また、濃度センサーによる電流のフィードバック制御ができることを実証した。 |
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知的財産権等の発生
現状では出願予定はないが、今後発生が期待できる。 |
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企業化開発の可能性
実用化するには問題点が残されており、更に研究が必要と思われるが、性能の改善がなされれば、実用化は可能と思われる。 |
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新産業、新事業創出の期待度
本法で採用した過酢酸による殺菌洗浄は、安全性、環境適合性に優れた方法であるが、殺菌能力が市販品と同程度であれば、特殊な条件下以外では、そのまま新産業の創出につながることは難しいと思われる。 |
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3 ) |
評価のまとめ |
過酢酸の電解合成セルを用いた殺菌処理システムのモデル化の目標は達成された。製品の濃度も目標値をクリアーできたが、発生能力が試験の範囲内では80%相当に留まった。
濃度センサーによる電流値へのフィードバック制御の可能性も実証できたので、今後、触媒、セル構造、反応条件等の最適化を図ることにより技術の改善を期待する。 |