1 ) |
モデル化の概要および成果 |
風力発電装置は万一火災が発生した場合、消火活動が全く行えない状況にある。このため、内部で火災が発生した際に安全に且つ効果的に消火することのできる新しい自動消火装置を確立することを目的とし、その手法として泡の内部に消火ガスを封入して火災発生部分に送り込むという、全く新しい消火方法を取り入れた。
先ず消火ガスを効率よく封入させる発泡器および放出機器を開発し、封入効率90〜98%を実現した。これに火災を検知するセンサーとその信号によって機器を起動させる制御機構を組み合わせて自動消火装置とすることで、これまで風力発電装置のような大きな開口部を持つ開放空間では効果を発揮しなかった消火ガスを有効に活用できるようになった。これを実際の風力発電装置に適応させるため、模型を用いて装置内部の初期火災を再現することで確認を行い、使用する消火ガス量を従来の1/2〜1/3に削減することが可能となった。
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2 ) |
事後評価 |
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モデル化目標の達成度
消火剤を発泡の中に、90〜98%封入ができ、解放空間の消火が達成された。このため消火剤量は1/2〜1/3に減らせた。しかしながら商品として完成させるためには、更なる設計の見直し、再試作が必要と思われる。 |
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知的財産権等の発生
特許出願を検討中。 |
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企業化開発の可能性
消火器ユニットメーカーと風力発電機メーカーとの連携が重要である。風力発電機メーカーのニーズ把握を更に進めてほしい。 |
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新産業、新事業創出の期待度
風力発電機の設置対象が限定されている点は、新事業創出への懸念であるものの、塞げない開口部に消火装置の設置が技術的に可能になったので、他分野への応用として、船舶機関室、自家発電室などへの適用も考えられる。 |
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3 ) |
評価のまとめ |
目標はほぼ達成され、新商品として事業の展開が考えられる。実用化へ向かっての努力を期待する。現在、効果的な消火手段を持たない開口部を持つ風力発電機等に対して、安全機器として自動消火装置が組み入れられることが望ましい。 |