1 ) |
モデル化の概要および成果 |
低コストの視覚障害者用誘導装置のモデル化開発を行った。モデル化により確立した画像認識(可視光線の帯域を特定し処理速度を大きく向上させる)は従来の技術(可視光線の帯域全般を利用して画像認識を行う)より、遙かに効率よくリアルタイム処理を実現し、障害物を検知することができる。
本装置の画像認識モード(形状認識、色認識)においては、3Dモーションセンサからの情報を利用した自動切換モードと、スイッチによる任意切換モードを備え、利用者が欲しい情報(危険物や信号等の色情報)を的確に伝達することができる。
また、超音波センサを併用することで前方および下方(足元)の障害物や段差等を、より早く検知し、危険回避のために有効な情報を与えることができる。
更に、DLP端末(非常通報機能有り)と位置情報検索システムを利用することで現在地情報や建造物等の名称を音声で伝達することができる。
これらの機能について、障害物や位置情報が音声で出力されることを確認し、問題ないことを検証した。企業化に向けて本装置の更なる高精度化、高速化およびコンパクト化を図るべく、評価やデータ収集等を行っていく。
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2 ) |
事後評価 |
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モデル化目標の達成度
モデル化着手以前の要素機器に関する技術的課題の解明が必ずしも十分でなかったようで、結果において実装した機構の提示にまで至らなかった。距離計測の精度も不十分である。 |
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知的財産権等の発生
特許1件出願済み。新しい工夫・考案の望まれる課題であり、今後の努力を期待する。 |
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企業化開発の可能性
燃料電池の入手、距離計測システムの解決が課題であり、企業化にはさらに時間を要するものと思われる。 |
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新産業、新事業創出の期待度
他分野への応用展開は考えられるが、企業化への課題を解決するためには、更なる基礎技術開発からの積み上げが必要である。 |
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3 ) |
評価のまとめ |
本課題は社会的に要望されている技術であるが、実用化には多くの基礎的開発からの積み上げが必要である。実装した機構の完成度の観点から現状を見ると総合的システムの完成とは言い難い状況であるが、得られた成果や採用した個別技術の展開は他の分野への応用も考えられるレベルにある。 |