高校生でも、研究を!? 〜研究者と社会について考えよう〜Research Internship for High school students!? 〜 Let’s Think About Scientists and Society 〜
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テレコムセンタービル 4階 オープンスペースC
出展者名
ST-AR Project
プログラム概要
「研究者って何をしているの?」高校生がこの質問に答えられたら。 私たちST-AR Projectは、大学等の研究室に高校生を受け入れる「研究インターンシップ」の普及を目指して活動している団体です。 本セッションでは、これまでにインターンに参加した現役高校生、受け入れを担当した研究室の先生にもご登壇いただき、参加者と受け入れ側の双方から生の声をお届け。トークショー+ディスカッションの形で進行します。 研究を体験してみたい高校生、高校生の受け入れに興味がある研究者、なんとなくプログラムに興味のある皆様、全ての声を大歓迎します。 研究がもっと身近にある社会を作るためのディスカッションを、一緒にしませんか?
✏️出展レポート
話し合った未来像
高校生が研究生活を早い段階から経験できる環境の醸成に向けて何が必要で、このST-AR Projectでは現在何をおこなっているのかについて議論した。
実際に高校生時代にプログラムを体験し、大学受験を経て東京科学大学に進学した1期生のフリートークでは、受験勉強へのモチベーション増加に始まり、取り組みたい研究テーマがすでにある程度定まっていること、そのきっかけが本プログラムでの経験にあることなどが話題に上がり、「カジュアルに研究の楽しさ、魅力、凄さを伝えるための研究アウトリーチ活動」と分業するような形で、「職業としての研究者のリアルを知ることができる研究アウトリーチ活動」の2軸が存在することが、若年層の研究者への理解を促進して研究×社会の姿を変えていくのではないか、という未来について話し合った。
意見・論点
プログラム自体がまだまだ新しい形態であるためにその実態を問う質問は複数上がったほか、
・こういった外部の研究体験プログラムに参加するにあたって、専門知識の不足を懸念してしまいなかなか踏み出せない。どのようにしてそれを十分なレベルに到達させ、プログラムに参加すれば良いか という問いかけが印象深い。
登壇者側の回答としては
・現場で日々研究をしている研究者も状況としては全く同じ。大学生として研究室に配属された時点で十分な専門知識を身につけている人はいないし、研究者もそこを日々学びながら活動している。教科学習とはそういった意味でも毛色の違う活動なので、完璧主義にならず、ぜひ飛び込んでみてほしい
というものだったが、この議論はまさに私たちの活動の芯にあるところであった。
研究者という営みについて広めていきたい私たちにとっては先入観からハードルを上げて飛び込めない生徒にこそアプローチを試みるべきであり、どのようにそのハードルを下げるのか、の答えの一つがこのような対話なのだな、という議論も運営側で行った。
キーワード
研究アウトリーチ活動、研究職、ワークライフバランス、女性研究者、研究体験プログラム、キャリア教育
来場者との対話から得られたこと・今後に生かせること
2にもあげたような、プログラム参加者である高校生の率直な疑問や研究体験系プログラムへのハードルなどを知ることができた点はやはり大きい。加えて、九州で研究アウトリーチに携わるアカデミアの方のお話も聞くことができ、新しいつながりが生み出せたことも大きな成果である。
一方で、幅広い層が来場するサイエンスアゴラで、"高校生""高校教員""研究者""などプログラム側としても幅広く潜在的なターゲットが存在する中、どこに向けて発信し、内容を練っていくかはまだ今後も改善できる点だと感じた。
ある程度ターゲットを広めにとっておくスタンスだった結果、少し話題が曖昧になってしまった側面がある。これは私たちの活動の発信において今後も常について回る問題であり、それを現場で実感できたことは経験としてとても大きい。
総合的に、基本的にプログラム運営のみを行なっている私たちがこういった発信の場に挑戦する意義を改めて実感する機会であり、今後の活動の発信やプログラム自体のブラッシュアップに非常に実りある時間だったと感じている。