阪神・淡路大震災から30年 地震研究の進展と課題30 Years Since the Great Hanshin-Awaji Earthquake: Progress and Challenges in Earthquake Research
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テレコムセンタービル 1階 オープンスペースA
出展者名
防災科学技術研究所
National Research Institute for Earth Science and Disaster Resilience
プログラム概要
今年は阪神・淡路大震災から30年となる節目の年となる。震災を風化させないためにも阪神・淡路大震災を振り返るとともに、震災の教訓を踏まえ発足した国の地震調査研究推進本部により進められた地震防災研究の成果について紹介するとともに、今後の地震対策について考える機会とする。
講演の内容は、以下の通り。
(1) 震災の原因「震災の帯、キラーパルス」
(2) 揺れの予測「全国地震動予測地図」
(3) 研究の進展「全国的な地震観測網の整備によるリアルタイム地震被害推定の実現」
(4) 今後の課題「超軟弱地盤での対策、長周期地震動対策」
講演に加えて、展示及び解説(全国的な地震観測網、リアルタイム地震被害推定システム)を行う。
This year marks 30 years since the Great Hanshin-Awaji Earthquake. To ensure that the memory of the disaster does not fade, this event will reflect on the Great Hanshin-Awaji Earthquake and present the achievements of earthquake disaster mitigation research carried out by the Headquarters for Earthquake Research Promotion, which was established by the Japanese government in response to the lessons learned from the disaster. The event will also serve as an opportunity to consider future earthquake preparedness.
In addition to the lecture, there will be exhibits and explanations covering the nationwide seismic observation network and the real-time earthquake damage estimation system.
登壇者プロフィール
藤原 広行(ふじわら ひろゆき)
国立研究開発法人 防災科学技術研究所 研究主監
全国強震観測網K-NETの整備,全国地震動予測地図の作成,リアルタイム地震被害推定システムの開発などに従事.
平成29年防災功労者内閣総理大臣表彰
タイムテーブル
✏️出展レポート
話し合った未来像
阪神・淡路大震災から30年となる節目の年の企画として、震災を風化させないため、阪神・淡路大震災を振り返るとともに、震災の教訓を踏まえ発足した国の地震調査研究推進本部により進められた地震防災研究の成果について紹介し、今後の地震対策について考える機会とすることを目的に講演とそれに関しての議論を行った。
講演の内容としては、特に下記の4つのポイントについて議論した。
(1)震災の原因「震災の帯、キラーパルス」
(2)揺れの予測「全国地震動予測地図」
(3)研究の進展「全国的な地震観測網の整備によるリアルタイム地震被害推定の実現」
(4)今後の課題「超軟弱地盤での対策、長周期地震動対策」
特に、地震観測網の整備に関しては、実物の強震計を持ち込み、揺れがどのように記録されるのか実験をした。また、地震観測網のデータに基づいた、リアルタイム地震被害推定システムに関しての詳細な説明を行った。
意見・論点
講演内容に関して、活発な質疑が行われた。主な論点は次の通り。
軟弱地盤での被害例として、能登半島地震において輪島市内で発生した建物の倒壊に関しての議論を行った。輪島市内での被害は、軟弱地盤の中でも特に地盤が弱いところ、いわゆる「超軟弱地盤」で発生した。同様に地域が日本の大都市が立地する平野部、特に関東平野の内陸部に広がっていることを指摘し、長期的な災害対策の重要性について議論した。
緊急地震速報のためのデータ処理技術に関して、同時に複数の地震が発生した場合の計算手法などに関して質問があり、そうした場合の対処法に関しての議論を行った。
防災科研で運用しているリアルタイム地震被害推定システムに関して、多段階での情報発信が行われている理由に関して質問があり、リアルタイムでのデータ処理に関して議論がなされた。
キーワード
質疑の中で、特に関心が高かったものとして、下記のようなものがあった。
地震時の軟弱地盤での地盤災害、地震観測網データの即時解析、リアルタイム地震被害推定
来場者との対話から得られたこと・今後に生かせること
講演内容に関して多数の質疑が行われ、地震研究への関心の高さが実感できた。地震観測網の整備とそれらを活用した地震ハザードマップの作成やリアルタイム地震被害推定システムの開発など、阪神・淡路大震災から30年で進められた地震研究の成果の一部を来場者と共有でき、活発な議論ができた。