IVRC2025:むぎゅミレータ!
・ 10:00〜17:00
テレコムセンタービル 5階
出展者名
青山学院大学 理工学部
プログラム概要
本企画は、「ものを握りつぶす」行為に着目し,仮想空間内で「握りつぶす」行為を再現できるシステムを提案する。弁で空気の流れを制御したバルーンとチューブ機構、ペルチェ素子を組み合せ、手に物体が潰れる「圧壊感」と液体が指を伝って流れる「流動感」及びその時の温冷覚を多層的に提示する。本企画で提案する「握りつぶし」を再現するインタラクションは、教育やリハビリの支援手法としても活用していくことが期待できる。
This project focuses on the act of "crushing objects" and proposes a system that enables the reproduction of "crushing" actions within a virtual environment. By combining a balloon and tube mechanism controlled by valves with a Peltier element, the system multilayeredly presents the sensation of "crushing pressure" when an object is collapsed in the hand and the sensation of "flow" when liquid moves along the fingers, along with corresponding thermal sensations. The interaction for reproducing “crushing” proposed in this project is expected to be applicable as a support method in fields such as education and rehabilitation.
✏️出展レポート
話し合った未来像
このデバイスがもたらすリアルな触感は、特にVR/ARゲームの体験を根本的に変える力がある、という話し合いがあった。仮想のモノを「握りつぶす」際の抵抗感や温度は、既存のコントローラーでは味わえない深い没入感を生み出す。将来的にはゲームの枠を超え、遠隔コミュニケーションや高度なシミュレーション分野へも応用できる、といった未来像を描くことができた。
意見・論点
ブースでは、多くの人に体験してもらう上で避けて通れない、現実的な課題が論点となった。具体的には、繰り返し使用した際の「バルーンの耐久性」、体験者の肌に触れる「フィルムヒーターの安全性」、そしてデモ中に見られた「ポンプの連続稼働による発熱」といった点について、今後の対策を話し合った。
キーワード
対話の中では、体験の質そのものを指す「没入感」や、圧覚と温度といった複数の感覚を組み合わせる「マルチモーダル」という言葉が注目された。また、機構の核心である「空気圧」や、体験者が口にした「流動感」といったキーワードも印象的だった。
来場者との対話から得られたこと・今後に生かせること
来場者からは、「抵抗感」、「指の間を抜ける液体の流動感」、「温度」という3つの感覚の組み合わせが、非常に新鮮でリアルだと高く評価された。さらに、「今回は液体の温度が一定だったが、握るモノによって温度も変われば、もっと面白くなる」といった貴重な提案も寄せられた。これは、今後の開発における大きなヒントとなった。