「飛ぶ」と「跳ぶ」の不思議をサイエンス!The science behind the wonders of ""fly"" and""jump""
・ 10:00〜17:00
テレコムセンタービル 4階
出展者名
科学読物研究会
Japanese Society of Science Books for Children
プログラム概要
鳥のように自由に空を飛ぶことは、長い間、人類の夢でしたが、今では、飛行機で旅行したり、ロケットで宇宙に行ったり出来るようになりました。「飛ぶ」ために参考にしたものは、鳥、虫、植物などの「生きもの」。その体形や機能、行動などを真似して科学技術に活用する技術(バイオミメティクス/Biomimetics)は、今後、人類の未来をさらに豊かにするでしょう。ヒントは身のまわりのいたるところにあり、モノを観る目や探究する心によって新しいアイデアを得られることを、「飛ぶ・跳ぶ」をきっかけにして、子どもから大人まで、楽しみながら知っていただきたいと思います。工作もお楽しみに!
Flying freely in the sky like a bird has long been a dream of mankind, but now we can travel by plane and go into space by rocket.
To learn how to fly, they looked to living things such as birds, insects, and plants. The technology of imitating their body shapes, functions, and behaviors and utilizing them in science and technology (biomimetics) will surely enrich the future of humanity.We hope that everyone, from children to adults, will have fun learning about flying and jumping, and that new ideas can be found all around us, with a keen eye for things and an inquisitive mind. Look forward to the crafts too!
✏️出展レポート
話し合った未来像
人類は長い時を経て、その進化や発展の歴史の中で、自然から学び、真似ることで、技術が進歩して来たことを再認識した。バイオミメティクスが私たちに多くの恩恵をもたらしたこともあらためて知った。そもそも、「あったらいいな」とか、「あの形が合理的」とか、思い描くことから始まり、観察し、真似るのプロセスが、この先も続くのでは?
「なぜ? どうして?」という疑問を持つことが、科学的にものを見ることの基本。大人も子どもも、流れてくる膨大な情報を鵜呑みにして流し込むのではなく、疑問をもって自分で見極めて取捨選択することが今の時代には不可欠。子どもの頃から「考える癖をつける」ことが大事。
我々のブースでは、一方的に情報提供するのではなく、共に考えながら、来場者自身が、よくよく観察して考え、仮説を立てて類推し、そして「不思議の扉をあけて」発見する、という過程を大切にしたい。それこそが、科学の面白さであり醍醐味。AIがどんなに進化しても、人類の科学への興味・関心は尽きることがなく、イマジネーションと創造するちからは失われることがない未来に期待する。誰もが、科学を身近なものから楽しみ、科学的な興味を広げていけるきっかけにできるイベントになるといい。
意見・論点
空を飛ぶことは長い間人類が求め続けてきたことだった。今では、人類は宇宙ロケットや航空機、ドローンや空飛ぶ自動車まで手に入れて、さらに発展し続けている。口に出して発音すると、音は同じ「とぶ」には、「跳ぶ」と「飛ぶ」がある。滑空もある。飛び方にもそれがメリットになるスタイルがある。この今回のテーマでは、何をどう見せるのか。それを最後の工作と、どう結び付けるのか。これは、スタッフで色々話し合い、試作を何回も何回も繰り返して、考えに考え抜いて時間をかけて練り上げたもの。
サイエンスアゴラの参加者には、最初から解説せずに、パネルボードを使ったクイズに自分で考えて答えてもらった後に、解説をする我々独自のスタイルを実施。他の活動でも、このやり方を踏襲している。ブースでは、決して先走って「教えすぎない」こと、子どもも大人もそれぞれのペースでの「発見の驚きを奪わない」ことが一番の重要事項で、それが「科学の楽しさを実感する」体験につながることを確信している。参加者が考えたことが「あたった」か「はずれた」かが重要ではなく、そこからどんなことがわかるのかを伝えることが大事。会員がそれぞれの持ち味を活かして、さまざまな来場者に科学を楽しんでいただくことができたと思う。特に、今年は小学生のブース運営スタッフも解説や呼び込みなど大活躍でき、おもわぬ発見となった。
キーワード
「跳ぶ」と「飛ぶ」の不思議。工作が楽しい!体験や展示が楽しい、新幹線とカワセミの関係にびっくり。えっ、扇風機の羽根?
「おもしろい!」「知らなかった!」「とぶって奥が深い!」「科学は楽しい」「こんなおもしろい科学の本、知らなかった!」
今回のテーマで、何をどう見せるのか。それを最後の工作と、どう結び付けるのか。
参加してくださった方々が、お子さんも大人も、時間をかけてとても表情豊かに楽しんでいたのが印象的だった。
4才のお子さんをつれたお父さんが、「うちの子はスーパー・シャイなんですが、とても楽しんでますね~!」とおっしゃっていた。文系の教育者ではあるものの、勉強になるので、ここ数年アゴラに来ているという男性が、今の学校教育について不満に思っていることを仰ったあと、我々のブースを見学されて、「来場者にまず考えさせ、更にヒントを出して考えさせて、更に・・・を繰り返して対話を進める手法はとても参考になった」という言葉が印象に残った。
来場者が自らの手で実験して、その結果がわかった時の楽しさや達成感があったのだと思うが、「いや~、オモシロイですね!」などと、ポジティブなコメントをたくさんいただいた。「また来たよ!」と何回も帰ってきてくれる子どもたちが、他の子に展示物を解説したりしている姿が微笑ましかった。まさに、知らない同士が集ってサイエンスを楽しむ「アゴラ」の醍醐味だった。
来場者との対話から得られたこと・今後に生かせること
ブースで工作を楽しむお子さんは、低学年〜幼児が多く、説明の言葉をより平易にすることが求められていたと思う。バリアフリーにもつながる体験だったが、「科学って楽しい!」と思ってもらえること、「なぜ? どうして?」と考えてからそれを自分で確かめて、はじめて「分かった!」と思えること、もっと知りたいときには「どんな本が参考になるのか?」の糸口を伝えられること、などが私たち科学読物研究会が大切にしてきて、これから先も継続して子どもたちのためにできることのひとつだとあらためて感じた。
来場者の低学年の子どもを連れたパパが、ブースの展示を子どもと一緒に体験し、最後にミミックメーカーの絵本を紹介したら、「展示も面白いけれど、こんなに子ども向けのかがくの絵本があるなんて知らなかった。本屋でもなかなか見つけられない。もっとどんどん発信して、いろんな場所で子どもと楽しめる科学の本のことを紹介してほしい」と言われた。
そもそも、子どものための優れた科学の本を執筆、翻訳、研究、紹介するのが、創立58年の科学読物研究会の活動の原点。サイエンスアゴラには第1回から連続出展してきたが、毎年テーマを変えて、取り組んできて、必ず子ども向けの科学の本を紹介してきた。今後も立ち止まらず、チャレンジしていきたいと力をいただいた。幼いこどもから参加できるブースとして今後も参加したい。